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県立中央病院の新棟建設計画見直し構想策定へ

2015/10/31 日本工業経済新聞(茨城版)

 県立中央病院(笠間市鯉淵)は、2016年度から建設を予定していた新棟の計画を見直し、新たに新棟構想を策定する。27日、策定支援業務委託の一般競争入札を公告した。来年3月をめどに構想策定を進め、早ければ来年度に設計を進めたい考えだ。新たな計画では、がんセンター棟北側にプレハブ棟を建設して慢性的な施設不足に対応させた後、救急センター棟東側に新棟建設を計画している。

 中央病院では、施設の狭隘化、老朽化によりその使命を十分に果たせていない。また患者の療養環境改善や医療人材の教育・研修機能など喫緊の課題に対応するため、新館建設を計画。本年度当初、6324万5000円を計上して基本・実施設計を行い、16年度から建設する予定だったが、現状に即した機能に見直すこととなった。

 建設予定地は当初、地域がんセンター棟裏手(北側)を想定していたが、同地はプレハブ棟の建設予定地に見直されている。病院では研修医の増加など慢性的な施設の狭隘化に陥っていることから、プレハブ棟を建設して対応させた後、新棟を救急センター棟東側の場所に建設したい考え。

 今回の新棟構想策定支援業務では、昨年3月に策定した県病院事業中期計画などに基づき、新棟を整備するにあたり、現状や課題分析、同規模の他病院の調査、比較検討を踏まえ基本構想を策定する。

 具体的な業務内容は、①中央病院の現状と方向性②中央病院を取り巻く課題③中期計画を推進する上での課題④新棟整備の経緯と目的および必要性⑤新棟建設に伴って必要となる関連施設計画⑥新棟の整備計画⑦収支計画⑧将来の全面建替について-。

 そのうち④新棟整備の経緯と目的および必要性、では基本構想に至る経緯、必要な医療機能の整備方法、新棟機能の規模、建設場所をまとめるため基礎資料を作成する。

 また⑤新棟建設に伴って必要となる関連施設計画、では新たなエネルギーシステムの検討、駐車場整備の検討、プレハブ棟整備の検討、ヘリポート移設の検討の基礎資料をまとめる。

 ⑥新棟の整備計画、では建設スケジュール、施設整備費の概算の検討、財政確保にあたっての課題を考える。

 主な競争参加資格として、県の建設コンサルタント入札参加名簿に建築で登録され、2010年4月~15年3月までの間に500床以上の新築・改築・増築にかかる基本構想、もしくはこれに準ずるものを作成した実績などが求められている。

 競争参加資格確認申請を11月6日まで受け付けた後、同11日に開札して委託業者を選定する。

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