東京商工リサーチ千葉支店は30日、2014年度(14年4月~15年3月)の千葉県内建設業売上高ベスト50社ランキングを発表した=別表=。それによると、上位50社の売上高合計は前年度比106・9%の5839億5672万円、売上高上位50社の利益合計は前年度比157・4%の217億2960万円と統計開始以来の最高を更新した。
資金力や人員動員力、商品企画力に優れた実力業者が順調に実績を伸ばす一方で、市場退場の淵に追い込まれる中小建設業者の淘汰は避けられず、二極分化の様相が強まる傾向が見られる。
14年度売上高の第1位は新昭和(売上高720億289万円)、第2位は新日本建設(同585億6862万円)、第3位は横河ブリッジ(同405億4624万円)となった。
前年度に続き売上高最上位の新昭和は、分譲マンション事業が堅調で、ウィザースホーム、クレバリーホームといった戸建て住宅ブランドが浸透し、県内業界トップを走る企業として順調に実績を伸ばした。第2位の新日本建設は、県内を基盤とする建設業では唯一の東証一部上場企業で、分譲マンション「エクセレント」ブランドが浸透し、投資関連受注を捉えて増収、開発事業部門でも好立地物件の選定で高い成約率を維持して増収を計上した。第3位の横河ブリッジは、橋脚架橋で屈指の実力業者で、自治体、高速道路会社が発注する工事案件をこなして安定した実績を計上した。上位3社の顔触れは前年度と変わらなかった。
建設業界における人手不足による人件費高騰や建設資材価格の高騰の影響が指摘され、経営環境は必ずしも追風ではないとの見方もある一方で、人材面、資金面、技術面に長けた実力業者は安定した受注量を維持し、好決算を続けていることが示された。
14年度の売上高ベスト10と売上高増加率ベスト5は次の通り。
【売上高ベスト10】
〔会社名(所在地)=売上高(売上高増減率)〕
第1位 ㈱新昭和(君津市)=720億289万3000円(2・22%)
第2位 新日本建設㈱(千葉市美浜区)=585億6862万6000円(14・73%)
第3位 ㈱横河ブリッジ(船橋市)=405億4624万6000円(13・12%)
第4位 ミサワホーム東関東㈱(千葉市稲毛区)=244億5081万6000円(▲4・73%)
第5位 京成建設㈱(船橋市)=238億3605万5000円(28・34%)
第6位 ㈱横河システム建築(船橋市)=207億1622万1000円(16・99%)
第7位 積和建設東関東㈱(千葉市若葉区)=190億8244万5000円(1・58%)
第8位 広島建設㈱(柏市)=172億5436万1000円(3・57%)
第9位 三井造船環境エンジニアリング㈱(千葉市美浜区)=155億3521万6000円(18・25%)
第10位 ㈱トラバース(市川市)=140億6492万3000円(4・31%)
【上位50社中、売上高増加率ベスト5】
〔会社名(所在地)=売上高増減率(売上高)〕
第1位 三東産業㈱(松戸市)=56・26%(98億4066万6000円)
第2位 鵜沢建設㈱(千葉市若葉区)=52・74%(52億7699万5000円)
第3位 京葉プラントエンジニアリング㈱(市川市)=45・10%(61億3757万8000円)
第4位 三井造船鉄構エンジニアリング㈱(千葉市美浜区)=43・67%(120億1160万9000円)
第5位 ㈱ウラタ(市川市)=39・97%(97億5472万3000円)