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安全性が大きく向上/手すり先行工法で見学会

2004/12/21 群馬建設新聞

 厚生労働省の「手すり先行工法安全対策推進モデル事業」に指定されている「(仮称)群馬県立県民健康科学大学増築工事」(県発注工事)において15日、プレス見学会が行われた。

 手すり先行工法は、足場の組立・解体時先行して手すりが設置できる工法で、常に外側を手すりで囲まれた状態で作業できるため、墜落などの危険性を大幅に減少できる工法。

 今回の工事を担当している佐田建設(株)の清水泰江現場代理人は、同工法について「安全性は大きく向上する。実際に足場に立った時の安心感がある」と話す。一方で、「従来の足場と比べ、手間が多く、3割程度時間がかかり、それに伴い人件費等の費用もかかってくる。また、建物の形によっては、手すりが使用出来ない箇所が発生する事もある。伸縮出来る製品などがあれば良いと思う」と今後の改善点なども話した。

 また、現場を訪れた建設業労働災害防止協会群馬県支部の桑原純一事務局長は、「群馬県内では今年、建設業で9件の死亡災害が発生しており、原因が足場や脚立などからの墜落・転落が多い。手すり先行足場は、従来型に比べやりにくい点もあるかもしれないが、人命を守るためにはやっていかなくてはいけない事。死亡災害ゼロに向け努力していきたい」と述べた。

 今回採用されている足場は、日綜産業(株)(群馬営業所、高崎市八千代町1-17-15-307電話027-328-0251)の「NISSO F-1シリーズ」、「先行手すり」と「つま先板」をセットにしたもので、ブレスと2段手すりと、足元の巾木により、墜落・転落防止のうえ、工具・ボルト等の飛来・落下事故も防止する。



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