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茨城県教育庁

県教育庁が第2次県立高校再編整備後期実施計画

2015/12/26 日本工業経済新聞(茨城版)

 県教育庁(小野寺俊教育長)は臨時記者会見を開き、第2次県立高校再編整備の後期実施計画(2017~20年度)を発表した。中卒者数の急激な減少などを踏まえ、大幅な統合などを4地区で計画。太田第二高校と佐竹高校、鉾田第二高校と鉾田農業高校、岩井高校と坂東総合高校の計3地区で、それぞれ統合を行い新校を設置するほか、高萩高校をフレックススクールに再編させる。そのほか鹿島、大子清流、真壁、潮来、日立第二の計5校では学科を改編する。

 県教育庁では、実施計画の前期や中期において比較的減少幅が少なかったため統合を行わなかったが、今後、14年度の基準地点から計画終了の20年を見通すと2500人の中卒者数が減少することになる。これは学級数に換算して40学級に相当する。

 そういった中、教育庁では学校規模の適正化として1学年4~8学級の規模を望ましい教育環境として設定。統合は3学級規模の学校の中で実施することとし、市町村別の中卒者数減少率が高い地域を中心に検討、さらなる小規模化への対応や、県北山間部などは地域の実情を勘案した。

 その結果、統合関連は4地区で実施する。

 まず高萩高校を18年に新しいタイプのフレックススクールとして再編する。県内各地で設置しており今回が5校目。単位制による二部制の導入と多彩な科目群の開設で主体的な学習を促進。不登校の受け皿にもなるようなカウンセリング体制を充実させる。また農業や造園などの体験型の科目を設定する。

 太田第二高校と佐竹高校は19年に統合し普通科6クラスの新校にする。太田第二が伝統的に培ってきた商業コースを設けるほか、福祉コースを新たに設置。校地を太田第二とし、野球グラウンドは佐竹とする。

 鉾田第二高校と鉾田農業高校は18年に統合し、農業1、食品技術1、総合6の計8クラスの新校とする。校地は鉾田第二、農場は鉾田農業とする。両校の伝統の相乗効果により、鉾田市を中心とする地域社会を支える人材を育成する。

 岩井高校と坂東総合高校は20年に統合し、園芸技術1、農業工学1、総合4の計6クラスの新校とする。普通科、総合学科の農業・商業・家庭各分野の特色を継承するとともに、学校全体として国際理解教育を推進する。

 一方、学科改編は前期、中期に改編していない農業などの学科を中心に検討。5校で学科を改編する。

 鹿島高校は19年に情報・実務コースを普通科に改編し、類型で医療・理工コース、国際コースを設置する。地域からの大学進学のニーズに応える拠点校となることを期待する。

 大子清流高校は17年に森林科学科を農林科学科に改編し、総合学科を1クラス減らし2クラスにする。農林科学科に、類型で農業科学コース、森林科学コースを設置。県北地域の農林業を担う人材を育成する。

 真壁高校は18年に農業3学科へ類型のコースを設置する。農業科に加工・流通コース、食品化学科に製菓コース、環境緑地科に地域産業コースを設置する。

 潮来高校は19年に商業科を地域ビジネス科に改編。

 日立第二高校は17年度に英語科を普通科に改編し、類型で英語コミュニケーションコースを設置する。

 会見で小野寺俊教育長は統合について「少子化への対応が大きいが、将来の教育環境も勘案してこのような形となった。これからも地域住民に丁寧に説明してまいりたい」と語った。

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