上尾駅全面改修事業でJR東日本高崎支社は、今月から基礎調査業務に着手する。測量、耐震診断、利用者流動調査の各作業を年度末までに終える方針。また市では先月、自由通路の計画幅員を20mに変更すること、一体的に行う予定としていた西口駅ビル建設を当面先送りにすること、の2点を市議会に報告、了承された。
市では今年度予算で1億7860万円の設計負担金を確保しているものの、基礎調査分を除く大半は、3月議会において繰越明許か減額補正されることになる。
17年度は概略・詳細設計期間となる見込みで、これにより、当初想定していた17年12月ごろの着工は、大幅に遅れる見通しとなった。
工事内容は、駅舎の全面改修、バリアフリー化と、自由通路(L約60m)の拡幅。自由通路は、現況幅員の約8mから、県内最大級となる25mへの拡幅を計画していたが、厳しい財政状況、利用者数の伸び悩みなどの理由により、このほど、20mへと変更決定。
バリアフリー関連は今後検討を重ね固めるが、開札内では上下線ホームへのエレベーター・エスカレーター設置、車イスでも利用可能な多機能トイレの設置、混雑緩和のための、ゆとりあるコンコース確保などが候補。開札外では、自由通路東西へのエスカレーター設置、東口駅舎付近へのエレベーター新設などが浮上している。
同駅は昭和44年に橋上化されており、老朽化が著しい状態。また同事業では、市議会議員、学識経験者、商店会代表、駅利用者代表などで構成する検討委員会が組織されている。委員会では、過去に市へ提言書を提出。現在動きは無いものの、市側は「概略設計終了時点で委員会の意見を取り入れ、その後の詳細設計に反映させたい」としている。