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群馬県神流町

新年度にスタジオを整備/総事業費は約6億円/ケーブルテレビ事業

2005/01/14 群馬建設新聞

 地域間の情報格差の是正や地上波のデジタル放送化への対応などを図るため、ケーブルテレビの整備を計画している神流町総務課は、計画のアウトラインが固まったことから、昨年暮れに地元説明会を行った。スタジオ整備や光ケーブル敷設など必要な工事を新年度に実施していく考えで、18年度の開局を目指している。総事業費には6億円強が見込まれている。

 同町の情報インフラの状況は、テレビは13のテレビ共聴組合がそれぞれの施設でテレビ放送を受信しているが、設備の老朽化や組合員の高齢化などにより維持管理面で問題があるほか、2011年7月に完全実施される地上デジタル放送に対応できず、また緊急告知などの場合、有線放送と防災行政無線を利用しているが、伝達にタイムラグが生じ情報格差の是正が課題となっている。さらに若者定住などを促進するうえで、不可欠となるインターネットの環境整備もISDNとアナログ回線のため遅く、これらの早期改善が課題となっていた。

 これらを踏まえ今回ケーブルテレビ事業が計画されたもので、昨年町の9月補正予算で設計費1800万円余りを計上、18年度の開局へ向け本格的な準備作業に着手していた。設計業者の選定にあたっては、6者による設計プロポーザルを実施。情報システムコミュニケーションズ(山梨県韮崎市穂坂町宮久保4393-1電話0551-21-2088)を特定し、業務を委託している。

 事業計画によると、システムは地上デジタル波と双方向機能にメリットがあるFTTC方式を採用。集落までの幹線伝送路を光ケーブルとし、支線や各家庭の引き込みに同軸ケーブルを使用する。

 光ケーブルの敷設については約100km程度が見込まれており、光ケーブルの整備によって町内のブロードバンド化を可能にする。また、神流町役場2階にあった有線放送室を改修しスタジオとして利用するほか、榛名山にある中継所を望む場所へ受信点となる鉄塔を設置する。

 緊急告知放送については、新たにスピーカーを6か所設置するほか、有線放送(万場地区16か所)と防災行政無線(中里地区の4か所)の既存の外部スピーカーを利用する。ケーブルテレビの整備に伴い、NHKや民放の再送信のほか、同町の専用チャンネルを設け、行政情報放送を行う予定でいる。

 合併特例債や国の補助金を活用して、新年度にこれらの施設整備を実施、18年度の開局を目指しており、事業費として概算で6億円強を見込んでいる。



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