東日本建設業保証㈱新潟支店が公表した2015年度公共事業の動向によると、請負金額ベースで前年度比約400億円減(10・7%減)となり、過去10カ年度で最も低い水準となった=表=。平成に入ってから過去最低の実績で1998年のピーク時と比べると3分の1にとどまる。5億円を超える大型工事は昨年度と同水準だったものの5億円未満の工事での減少が著しい。減少の要因を同支店では「全体的に取り扱い件数が落ちている」と見ている。15年度の取り扱い件数は7866件で、前年度比1075件(12%)減少した。
過去10カ年の実績を比べ、中越沖地震や豪雨水害の復旧工事、13年度末の補正予算などで、これまで3300億円~3700億円台で推移してきたが、15年度は3040億円まで減少した。
14年度と比べて工種別では土木工事の減少が大きく、14年度の2122億から1944億円に減少。治山治水や農林水産関連工事の減少が影響した。また県の太陽光発電事業などの反動により電気工事が91億円、病院関連工事で建築工事は30億円の減少となる。
発注者別の実績では、国は大型工事の反動や取り扱い件数の減少により39件、947億6000万円の減少。
新潟県では442件、211億8800万円の減となる。件数の減少は公共4部局で低調だったことに加え、病院や太陽光発電事業など大型工事の反動により請負金額も減少した。
市町村は586件、147億6500万円の減で、合併建設計画事業完了の反動で4月と5月の2カ月で132億円減少している。大型工事の実績もあったが、14年度までの実績には届かなかった。
国、県、市町村ともに年間を通して取り扱い件数が低調であり、5億円以上の工事が前年並みとなったのは、日本郵政や日本下水道事業団、ネクスコ東日本などの影響が大きい。