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国土交通省北陸地方整備局(建設)

291号線復旧へ技術検討委が最終方針/10km区間の復旧決定/新宇賀地橋は架替

2005/02/05 新潟建設新聞

 中越大震災で崩壊した国道291号線山古志村・10km区間の災害復旧に向けて北陸地方整備局が設置した技術検討委員会(委員長・丸山久一長岡技術科学大学理事・副学長)の最終会合が3日に開催され、災害復旧に向けた全体基本方針を決定した。それによると、道路は現道復旧を基本としながら法面・雪崩対策等を進めるが、現道復旧が困難な神沢川沿い崩壊部では約800mのトンネルを掘削して迂回ルートを整備する。また、芋川の河道閉塞で水没した「新宇賀地橋」は橋梁の架け替えを行う方針だ。整備局では、雪解けを待って早急に各工事に着手する方針であり、およそ2か年をメドに全体区間の復旧を完了させたいとしている。

 整備局では、被災した国道291号線の小千谷市小栗山から山古志村東竹沢間の延長L約10kmを直轄権限代行による災害復旧事業で応急復旧や工事用道路の整備等を進めている。

 今回の検討委では、10kmのうち被災状況が大きい箇所、技術的に難易度の高い箇所を選定し、復旧方法等を検討した。

 基本的な復旧方法は次の通り。※対象区間の概要は上図参照

 <1>小松倉崩壊部

 現在の国道位置を山側方向へ水平移動させる。

 <2>河道閉塞周辺部

 既存ルートを若干移動させて道路を復旧し、「新宇賀地橋」は現在の橋長(L約55m)の倍近いL100~150m程度で架け替えを行う予定。

 <3>梶金崩壊部

 現道復旧し、下部に横断水路工を施す。

 <4>向田擁壁損傷部

 井桁擁壁及びブロック積変状の是正、押さえ盛土工、流路工付替、水抜ボーリングを計画。

 <5>錦鯉橋および付近の地すべり部

 地すべり対策及び現橋梁を復旧する。橋梁の架け替えを行うかどうかは検討中で、基礎部分の損傷具合を見て結論を出す。

 <6>東山擁壁倒壊部

 被災した擁壁部分を復旧する。

 <7>神沢川沿い崩壊部

 現道復旧は困難なため神沢川の対岸部分山側に迂回ルートとしてトンネルを掘削する。全体延長L約1kmのうちトンネル部分はL約800m(山古志村竹沢~東竹沢)。トンネル部分の事業費には20億円前後を見込む。

 各復旧方法の詳細については今後、委員会の報告をもとに個別に細部を詰めていく方針だ。

 10km区間の全体復旧事業費は約100億円を想定(今回の補正予算における関係事業費は未確定)。整備局では雪解けを待って早期に工事を進め、1日でも早く復旧完了を目指す。特にトンネルに関しては「24時間体制で進める」意向を示した。

 なお、村から要望が上がっている14集落へ通じる道路の確保についても国と県が調整しながら早期に進める考えだ。



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