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土木企業委員会が県央地区視察/梅戸橋は19年度の全線供用目指す

2016/10/07 日本工業経済新聞(茨城版)

 県議会土木企業委員会(萩原勇委員長)は6日、県央地区の県内調査を実施した。架け替えの進む都市計画道路水戸駅平須線梅戸橋や一般県道長岡大洗線バイパス事業の三又橋、大洗港海岸・大洗海岸(大洗サンビーチ)の津波・高潮対策事業、都市計画道路駅前海岸線街路事業などを視察した。梅戸橋では、暫定2車線(下り線)の供用に向けて本年度は橋梁上部工事と道路改良舗装工事を進め、2019年度の4車線供用を目指していく。

 当日は、まず水戸市の水戸駅平須線梅戸橋で現地の様子を視察。梅戸橋は1941年架設で老朽化が進む。水戸駅北口・南口方向や梅香トンネル方向へ連絡し、朝夕を中心に慢性的な交通渋滞が発生している。

 延長は610m(橋梁部:上り84・6m、下り102・9m)。幅員は25/16m(4車線)、橋梁部の幅員は21/13・5m。事業期間は09~19年度。事業費は約60億1500万円。昨年度末までの進捗率は事業費ベースで約65%。

 来年度は旧橋の撤去を予定。JR常磐線を跨ぐことから、工事はJRへ委託する可能性が高い。県発注の工事としては調整池の整備を計画している。

 続いて、水戸市東部を流れる石川川の三又橋を訪れ、長岡大洗線バイパス事業を調査。

 長岡大洗線は、茨城町と大洗町を結び、大洗サンビーチなど臨海部へのアクセス道路となる重要な路線。バイパス事業(水戸市秋成町~大洗町大貫町)は、石川川の河川改修と合わせて実施している。現道の幅員は狭く、見通しが悪いため、安全で円滑な交通の確保を図るため工事を行っている。ことし3月に三又橋の新橋(橋長51・5m)が供用し、現在は迂回路撤去工事や護岸工事、取付道路整備工事を進めている。

 延長1380mのうち1100mは供用済み。幅員は10m(車道部片側3m、歩道部2・5m)。総事業費は15億5000万円で、昨年度末までの事業費ベースの進捗率は100%。

 石川川は、水戸市市街地を流れ、那珂川水系涸沼川に合流する一級河川。事業計画区間は涸沼川合流点~県道内原塩崎線(水戸市大場町)の延長2400m。中井川橋~入野橋区間(約1・5km)以外の河川堤防が低く、無堤区間も点在している。下流域集落の浸水被害の軽減を図るため、掘削や築堤による整備を進めている。

 小規模河川改修事業として1992年度から着手し、総事業費は34億円。昨年度までの進捗率は39・4%。本年度事業は堰詳細設計。

 その後、一行は大洗町のマリンタワーに到着すると、展望室から大洗港海岸・大洗海岸(大洗サンビーチ)の津波・高潮対策事業と駅前海岸線街路事業を視察した。

 津波・高潮対策事業では、町計画との整合性を図りながら、国の社会資本整備総合交付金(復興枠)を活用し、多重防護方式(護岸、堤防)による海岸保全施設の整備を進めている。護岸は高潮・波浪時に対応し、堤防(築山)はL1津波に対応する。

 大洗港海岸(L864m)は港湾課、大洗海岸(L321m)は河川課が所管。全体事業費は約21億4000万円(港湾課所管=16億2000円、河川課所管=5億2000万円)。事業期間は13~16年度。

 駅前海岸線は、海抜の低い茨城港大洗港区周辺と高台の鹿島臨海鉄道大洗駅周辺を結び、大規模地震が発生した時の津波緊急避難路としての機能が期待される。現在は順調に工事が進み、11月7日に開通式が挙行される予定。延長は687m。幅員は18/6m(2車線)で、歩道は両側とも4・5m。事業費は約18億円。


 【写真=担当者の説明を受ける委員たち、梅戸橋完成イメージ】

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