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茨城県大子町

新年度からの後期計画概要

2005/02/17 日本工業経済新聞(茨城版)

 久慈郡大子町は、平成17年度から21年度まで5か年における「過疎地域自立促進計画(後期)」を公表した。主なものとして、新観瀑台建設やトンネル改修などの袋田の滝周辺整備をはじめ、袋田温泉と湯沢温泉における開発事業、南中学校など小中学校4校における校舎・体育館の大規模改造、池田保育所の改築、磯部住宅の建て替え、上野宮配水池の築造、大子浄水場調整池の築造-などを計画に挙げている。このほか道路関連では、町道8箇所、農道3箇所、林道4箇所の整備計画を盛り込んだ。

《産業の振興》

【農業】

◆家族経営協定制度を推進する

◆水源かん養機能や山地災害防止機能を高めるために、森林環境保全整備事業により間伐を計画的に推進する

◆うるし、わさび、木炭等の特用林産物の生産拡大を促進するとともに、間伐材の有効活用を促進する

◆地域住民相互や都市住民との交流の中で植樹等の機会を設けて、森林レクリエーション環境の創造に努める

◆地場産材である「いばらき八溝材」の需要の拡大を図る

◆地域林業の中核的な担い手としての大子町森林組合への支援を強化する

【地場産業】

◆大子町企業連絡協議会や商工会との連携を強化して、各種融資制度や有利な補助制度等の活用による企業の安定化と、時代の変化に柔軟に対応できる足腰の強い企業の育成に向けた積極的な支援に努める

【企業誘致】

◆企業訪問を積極的に行うことにより企業の動向等の情報収集に努め、企業誘致の取り組みを進める

◆企業の二-ズや意向の把握に努め、本町の資源や条件に適合した企業の分析調査を行う

◆企業誘致に迅速に対応できるよう、前もって開発可能な工場用地の調査を行うなど、用地の確保や道路網の整備、安定した水資源の供給ができることなどの誘致可能な基盤整備を進める

【起業の促進】

◆本町特有の資源や環境に適合した新たな産業の担い手を育成するとともに、農業・林業・商業・サービス業の相互の関連性に着目した、既存の地場産業を複合化した新産業の立ち上げを支援する

◆中小企業経営相談窓口等との連携を密にして、情報提供や人材育成、研究開発の促進などの起業支援策を検討する

【商業】

◆町内各地に形成された商店街の機能・役割に沿った振興方策を推進して、それぞれの地域の実情に応じた特色ある商店街の形成に努める

◆空き店舗や「JT跡地」の有効活用により、観光客を中心商店街に誘導するような魅力ある方策を展開する

【観光又はレクリエーション】

◆大子町観光振興基本計画に基づき、袋田の滝新観湯台建設、観湯トンネル及び遊歩道等の改修・整備などの袋田の滝周辺整備事業をはじめ、大子町一円の観光資源の整備を推進する

◆大子温泉保養センター「森林の温泉(もりのいでゆ)」等の町設置の温泉施設については、計画的にリニューアルを進めるとともに、御免沢源泉の適正管理に務める

◆大子温泉郷としてのイメージアップと温泉源の充実強化を図るため、新温泉源の適地調査を実施する

◆NHK県域デジタルテレビ放送やいばらきフィルムコミンションの活用等により本町のPRを行い、観光客の交流・拡大を図る

《交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進》

【交通】

◆国道118号袋田バイパス及び国道461号については、県との連携を図りながら、その整備促進に努める

◆主要地方道の大子那須線、大子美和線、常陸太田大子線、北茨城大子線及び一般県道の整備促進を図る。また、観光拠点アクセス道路として、諸沢西金停車場線や八溝山公園線等の整備を促進する

◆過疎代行道路(町道3313号線)の整備促進に努めるとともに、一般町道については地元からの要望や整備箇所を十分に検討した上で、町民の利便性向上のため整備を推進

◆生産性・能率性の高い農業生産環境の構築のため、県北北部地区広域農道をはじめ、大子西部地区における茨城ふるさと農道緊急整備事業を促進するとともに、土地改良基盤整備事業による農道整備を推進する

◆林業生産性の向上とコストの低減のために、計画的に林道及び林道から枝分かれする作業道の整備を推進

◆奥久慈グリーンライン林道整備事業を促進する

◆駅周辺の駐車場を整備しパーク・アンド・ライドの普及を図るなどして、地域の重要な足としての水郡線の活性化を図る

【情報化の推進】

◆本町ホームページを充実して情報提供を行うとともに、保健・衛生・福祉生涯学習など、双方向の情報交換による交流や高度なサービスの提供が行えるように整備する

◆町職員1人1台のパソコン整備を進めるとともに、税務の滞納整理システムの導入、固定資産税事務や戸籍等の電算化を推進して事務の効率化を図る

◆地域情報格差是正のため、移動通信用鉄塔施設整備事業を進める

【地域間交流】

◆県人会等の組織を通じて本町へのさまざまな提案を聴取し、交流・連携の中から企業誘致等の本町の活性化に結び付くような方策を推進する

◆東京都世田谷区との交流事業をさらに強化して、世田谷区民が本町へのリピーター・サポーターとなるように各種事業を推進する

《生活環境の整備》

【水道施設】

◆河川からの取水権の増量を申請するとともに、関連水道施設の改良を計画的に推進する

◆老朽化が進んでいる水道施設の計画的な更新・整備を進める

【下水処理施設】

◆浄化槽市町村整備推進事業及び公共下水道事業を導入することにより、全町的な生活排水処理施設の整備を推進する

【廃棄物処理施設】

◆広域市町村の連携によるごみ処理の広域体制の検討や収集業務の民間委託などを検討する

◆家庭からの生ごみの減量化を図るため、生ごみ処理器等の購入に対して補助する

【消防施設】

◆消防施設、車両、防火水利(防火水槽・消火栓)の計画的な整備をするとともに、消防団組織の活性化と消防団員の確保及び教育・訓練に努める

◆救急救命士の育成など、救急隊員の資質の向上を図るとともに、救急及び救助車・資機材などの計画的な整備を進める

【公営住宅】

◆町民の多様な二-ズに対応するため、老朽化した町営住宅について、適地を選定し計画的な建て替えを検討する

◆既設の町営住宅について、継続的に修繕を行う

《高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進》

【高齢者の保健と福祉】

◆高齢者及び要介護者本人が、主体的かつ気軽にサービスを利用できる体制及びその権利が保障されるようシステムの整備を図る

【児童及び障害者の保健と福祉】

◆地域子育て支援センターの設置や、池田保育所の改築を検討する

《医療の確保》

◆(仮)県北西部地域中核病院の建設を推進する

《教育の振興》

【学校教育】

◆老朽校舎の解消を図るとともに、校舎及び屋内運動場の耐震診断を実施し、大規模改造及び地震補強工事を推進

◆情報化時代を担う児童生徒の情報教育の充実のために、小・中学校に校内LANを整備するとともに、インターネット設備や教育用ソフトウェアの計画的な整備を推進する

◆高等学校は、大子第一及び大子第二高等学校から大子清流高等学校1校への再編に伴い、施設設備や教育内容の充実に対して協力や要請を行う

◆大子町教育支援センターを設置し、適応指導教室を実施する

【生涯学習】

◆中央公民館図書室の充実整備を図る

《地域文化の振興等》

◆郷土の歴史、自然、文化等の貴重な資源の保存と活用を図るとともに、指定文化財説明看板設置事業を推進する

◆山岡草創作和紙人形館の整備充実を図る



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