関東地方整備局は八ッ場ダム建設に関する基本計画の変更手続きを14日に完了した。変更により、事業費が約720億円増額され、約5320億円となった。2019年度までとしている予定工期に変更はない。
事業は代替地基盤整備など生活再建工事、ダム本体コンクリート打設工事などが進められている。事業費は約76億円のコスト縮減を見込んだ上で、社会状況の変化や安全対策の追加などに伴って増額された。
事業費増の主な要因は次のとおり。
【社会状況の変化】
▽門柱部耐震対策(鉄筋量増)=約3億円▽埋蔵文化財調査範囲拡大など=約67億円▽旧鉄道施設枕木など撤去、PCB含有電気機器処分=約12億円▽ダム堤体など構造変更(景勝地保全)=約8億円
【地すべりなど安全対策】
▽湛水に伴う地滑りなど対策=約96億円▽湛水に伴う代替地地区安全対策=約44億円
【現地状況の変化】
▽地質情報判明に伴う本体掘削費増=約41億円▽コンソリデーショングラウチング施工範囲見直し(弱部補強・遮水性改良)=約3億円▽樹木伐採範囲見直し=約36億円▽安全対策など支障橋梁撤去=約11億円▽軟弱土骨材プラントヤード基礎地盤土質改良=約2億円▽減勢工構造見直し=約18億円▽脱水ケーキ処分=約16億円▽付替町道一部区間構造変更=約8億円▽非常用発電設備・放流警報設備追加など=約10億円▽盛土材調達計画変更=約41億円▽重力式擁壁、擁壁基礎地盤改良、盛土法先部地盤改良の増加・追加=約16億円▽土砂搬出経路変更=約12億円▽裁決申請図書作成など=約0・5億円
【その他】
▽自然災害対応経費=約8億円▽公共工事関連単価変化=約212億円▽一般管理費など改定=約21億円▽消費税率変更=約32億円