国や県、県内市町村、高速道路会社などで組織する千葉県道路メンテナンス会議は、跨線橋の計画的な点検及び修繕を図るため、協議・調整の場として「千葉県道路鉄道連絡会議」を設置し、2日に千葉市内のきぼーるで初会合を開いた=写真=。会議では、2014~15年度で実施した跨線橋の点検結果や点検に向けた今後のスケジュールが示された。
点検結果では、14~15年度の点検実施率が全国で累積約29%で、このうち、早期に措置を講ずる必要があり補強の対象となる判定区分Ⅲが22%、緊急に措置を講ずる必要のある判定区分Ⅳが0・1%という状況が報告された。このうち千葉県の点検実施率は14年度9%、15年度18%で累積27%。点検結果は判定区分Ⅰ(構造物の機能に支障が生じていない状態)が14%、判定区分Ⅱ(構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずるのが望ましい状態)が76%、判定区分Ⅲ(構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態)が9%、判定区分Ⅳ(構造物の機能に支障が生じているまたは生じる可能性が著しく高く、緊急に措置講ずべき状態)が1%。
県内で唯一、判定区分Ⅳだった第一流山街道跨線道路橋は補修を完了し、再判定で判定区分Ⅱとなり、県内で判定区分Ⅳの橋梁はない。早期の措置が必要で補強の対象となる判定区分Ⅲは11橋。
今後、鉄道事業者と道路管理者で、跨線橋の点検及び補修修繕計画の確認書または協議書の締結に向けた調整を行い、3月中に確認書または協議書の締結を行う。その後に施工協定書を締結し、道路管理者が点検・修繕を実施する。
会議では、会長の八尾光洋・千葉国道事務所長が「跨線橋は全国で約2100橋余、県内には約425橋ある。このうち、国管理の上を通るのが37橋、県管理が155橋、市町村が200橋、高速道路が33橋。425橋のうち、40年を超えているのは177橋。この177橋をきちんと維持管理していかなければならない。鉄道関係者、国、地方公共団体、高速道路に代表される道路関係者の方々がこれを契機に情報交換し、検討を進めたい」とあいさつした。
判定区分Ⅲの橋梁は次の通り。(①路線名②管理者③関係する鉄道会社)
▽中野木跨線橋=①県道船橋我孫子線②県③東日本旅客鉄道▽第2藤原跨線橋=①県道市川印西線②県③東日本旅客鉄道▽高塚橋=①国道464号②県③東日本旅客鉄道▽新浜跨線橋=①県道松戸柏線②県③東日本旅客鉄道▽総武本線跨線橋=①国道126号②県③東日本旅客鉄道▽成東橋=①国道126号②県③東日本旅客鉄道▽内浦山陸橋=①県道内浦山公園線②県③東日本旅客鉄道▽稲丘第1橋=①市道稲毛東40号線②千葉市③京成電鉄▽東金駅跨線人道橋=①市道1178号線②東金市③東日本旅客鉄道▽3・4・33号橋(中央橋)=①市道庚申前・中蓮台線②印西市③千葉ニュータウン鉄道▽104A橋=①20―003②白井市③北総鉄道