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県議会/残る8橋も順次補強/利根川架橋の安全確保へ

2005/03/04 日本工業経済新聞(茨城版)

 開会中の平成17年第1回定例県議会は2日、一般質問を行った。その中で、国道294号の4車線化事業について、坂入健土木部長は「つくばエクスプレス開業までには北園交差点から南側の守谷駅付近まで約800mが完成する予定。未整備の約1400mのうち、北園交差点から北側約300m、守谷駅付近から南側約200mの合わせて500m区間は用地取得に努め、工事の進捗を図っていく」と答弁した。

 主な質問および答弁は次のとおり。

 坪井透議員(自民)

【霞ケ浦大橋有料道路無料化に係る国道354号の整備見通し】

 坂入土木部長 常磐線から霞ケ浦大橋まで約17kmのうち、土浦市の手野町地内と霞ケ浦町の大和田地内の2箇所が未整備となっている。

 まず、土浦市木田余町から手野町に至る約4km区間は、平成3年度から「土浦バイパス」として整備を進めている。これまで約76%の用地を取得し、約1700mの工事を行っており、引き続き残る用地の取得に努めていく。

 霞ケ浦町深谷地内から大和田地内までの約3km区間は、車道が狭く歩道がない区間もあり、整備が強く求められていた。

 そのため、今月誕生するかすみがうら市は、早期整備の観点から、この区間を迂回する市道深谷大和田線を合併特例債を活用して整備することになっている。県でも「合併市町村幹線道路緊急整備支援事業」の対象道路として昨年12月に指定した。

 霞ケ浦大橋の無料化に伴い交通量の増加が予想されるため、早期完成に努めていく。

【霞ケ浦浄化対策の浚渫事業の効果】

 高橋恵一生活環境部長 これまで浚渫事業は湖内を管理する国が主体となって取り組んでいる。事業は、環境審議会霞ケ浦専門部会で議論を重ね、「湖沼水質保全計画」にも位置づけており、第4期計画では平成13年から17年度までに削減されるCOD負荷量のうち約3割を浚渫事業で見込んでいる。

 県では、浚渫の効果について国の検討経過を見極めながら、第5期湖沼水質保全計画にどのように位置づけるか、検討してまいりたい。

 川口浩議員(民主清新)

【国道294号の4車線化と乙子交差点の立体化工事】

 坂入土木部長 乙子交差点の立体化工事を含め、取手市戸頭から谷和原ICへ向かって約5km区間を4車線に拡幅する事業を進めている。

 これまで用地が取得できた約2・8km区間が完成し、今年8月のつくばエクスプレス開業までには北園交差点から南側、守谷駅付近までの約800mが完成する予定。

 未整備の約1400mのうち、北園交差点から北側約300m、守谷駅付近から南側約200mの合わせて500m区間は、用地交渉が難航しているが、その取得に努め、工事の進捗を図っていく。

 乙子交差点を含む約900m区間は、昨年9月に立体化工事に着手し、現在、切替道路の工事を進めている。工事期間は約4年間と長期のため、安全かつ円滑に通行できるよう、関係機関と十分に協議を進めるなど、万全の安全対策を施していく。

【都市軸道路の整備】

 坂入土木部長 都市軸道路の県内区間は、千葉県境から国道354号までの約15・4kmのうち、県境から伊奈・谷和原丘陵部土地区画整理事業地区の北側境界までの約11・8kmを優先区間とし、整備を進めている。

 つくばエクスプレス開業時には、市道常総ふれあい道路から守谷トンネルを経て県道野田牛久線までの約2・4km、みらい平駅へのアクセス道路となる伊奈・谷和原丘陵部地区内の約1・9kmの供用を予定している。

 常総ふれあい道路から千葉県境までは、千葉県内の区画整理事業等の進ちょくを見ながら、千葉県と調整していく。

【新大利根橋の無料化】

 坂入土木部長 今後、災害などの不測の事態が発生せず交通量が順調に推移すれば、料金徴収期間の平成22年4月までには償還できる見通しとなっている。

 早期無料化は、残る未償還金等の精算に伴う負担が生じるため、費用負担について一方の出資者である千葉県や近隣市との調整が残されている。

【利根川架橋の安全性】

 坂入土木部長 利根川に架かる橋梁は、現在、県管理のほか国、道路公団、県道路公社が管理するものを合わせて19橋ある。総点検の結果、このうち14橋が耐震補強を要することになったが、銚子大橋は架け換えることで事業中で、5橋は対策を完了しており、残る8橋も順次補強を進めていくことにしている。

 取手市内の橋梁は、新大利根橋は耐震補強が完了しており、国道6号大利根橋は国が耐震補強を進め、17年度には完了する予定。



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