埼玉県電気工事工業組合(沼尻芳治理事長)は、全日本電気工事業工業組合の提案を受け、全国の都道府県電気工事(業)工業組合で初めて、組合会館「埼玉電気会館」(さいたま市北区)にパナソニック社製のBEMSを設置した。大宮支部の㈱ハスヌマ電気(佐藤隆行代表取締役)の施工でこのほど竣工し、運用を開始。同組合では積極的な省エネ活動を推進するとともに、組合員のビジネスチャンスの拡大に生かす考え。
同システムでは、キュービクルの回路ごとの負荷と全体のデマンドを監視。デマンドが設定値を超えそうな場合に警報を発するとともに、負荷を自動的に遮断する。
また負荷ごとに消費電力の計測データを見ることができるので、負荷の傾向を把握し、ピークが重ならない運転に変更したり、無駄な消費を見付けて削減が可能。これらにより会館の省エネ効果として、デマンド10%(56kWから51kW)、電力使用量5%(142MWhから135MWh)削減を目標としている。
会館には技術者が常駐。BEMSのデータを解析し、それに基づいた設備の運転見直しや試行ができ、よりきめ細かい導入事例として情報を提供することができるという。
組合員には会館をショールームとして活用してもらい、技術開発委員会主導の下、スキルアップ研修の開催などで、知見の拡充と設備や運用改善提案のサポートを行う。
同組合理事でエネルギー管理士でもある美納智次工事課長は「技術開発委員会でデータを検討してよりよい方法を探り、システム導入時の設定、調整のノウハウを見付けていく。各組合員に習得してもらい、それによってお客さまの省エネ推進のお手伝いをさせていただき、信頼を得て次の更新時期にも任せていただけるような流れにもっていきたい」と話した。
※BEMS=Building Energy Management Systemの略。ビルエネルギー管理システムのこと。