県土木部は今年度から、一般国道二九四号稲沢拡幅事業(那須町、黒羽町、全体延長五、二〇〇m)のうち、トンネル、長大橋梁の二カ所の構造物を含む延長二、二〇〇mの二期工区に着手する。一期工区延長三、〇〇〇mが四月に供用、残る南側の改良、構造物建設、舗装の各工事を早期に立ち上げることにした。今年度は用地取得に入り、可能な限り次年度からの着工を見込む。二期工区の全体事業費は概算三十億円。
二期工区は、起点を黒羽町大字寒井字館下の現道、終点を一期区間接続点(那須町大字稲沢字稲沢)とする一期延伸区間の道路改築事業。一期工区同様両側歩道付きの全幅一四mに整備、終点から主要地方道黒磯黒羽線接続部付近までの現道約一、〇〇〇mを拡幅、残る延長一、二〇〇mを構造物等による新設(ミニバイパス)とする。概略設計は(株)富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市簗瀬二-一三-二六)が担当した。
稲沢工区全区間には、国庫補助道路改築事業が導入されているが、二期区間の工事費は構造物の構造等が流動的なため事業費規模が大幅に修正される可能性を残している。現時点での概算工事費は改良工二十億円(トンネル含む)、橋梁新設八億六千万円、舗装工二億円。
土木部では、一期工区先線となる拡幅区間からの着工を予定。大田原土木事務所が先月二十六日に第一回現地事業説明会を開き、基本的同意を得たことから今月中に幅杭設置に伴う丈量測量、並行して地質調査を委託することにした。以降用地取得に入り、早期の着工を目指す。
構造物は、横目橋から東電発電所をアンダーパスするトンネル一カ所、トンネル南側を流れる一級河川那珂川を横断する橋梁一基を計画。現在、トンネル建設の可能性をはじめ、オープンカットによる横断工法等の代替案を含め、東電との協議を開始した。
新設橋梁は、那珂川橋下流の余笹川合流地点に架設する。全体計画では、現道が横目橋から那珂川橋を経て主要地方道黒磯黒羽線と合流するまでクランク状を呈し危険なため、北側をトンネルでアンダーパスした後、若干の盛土区間を経てメタル床版の長大橋で一挙に河川を横断する計画となっている。
余笹川合流地点が、河川敷と低地の畑地帯で道路部分との段差が続くことや、東電発電所下のトンネル計画が流動的なことから、橋長、径間数、上下部工形式は未定。東電との協議が固まり次第、構造物の詳細設計に入ることになるが、年度内の委託は難しい状況。周辺では余笹川改良工事が十三年度まで続くなど河川改修事業との整合を図る協議も進めることにしている。