国土交通省大宮国道事務所は圏央道整備事業で、希少野生動物生息エリア内に、「グリーンネット(仮称)」を設置して整備する方針を固めた。現場は渡河部のため、17年度渇水期に下部工事を発注、整備に取り掛かる方針。
これは、15日の第8回「埼玉圏央道オオタカ等保護対策検討委員会」で、希少野生動物のサシバ(タカ科の猛禽類)生息地に、グリーンネットを設置することでの合意を受けて示された。
グリーンネットは、サシバ生息地に対する、車の光と音の遮へい、さらには幼鳥などの道路内進入防止を目的として設置するもの。現時点では案の段階だが、延長300m、高さ3m程度を考えている。材質は、今後の検討で固める。また検討に際しては、サシバの飛翔・採餌行動などとの関連性も含めて行う方針。
大宮国道事務所は、圏央道整備事業のうち、2工区7・9km、3<1>工区12kmの計19・9kmを所管している。ルート上に、絶滅のおそれのある希少野生動物の生息が9か所(オオタカ8・サシバ1)で確認されている。
このため同事務所では、専門家からなる同検討委員会を組織。オオタカなどと共生できる整備内容の議論を進めている。
9か所のうち、着工するのは今回が初めて。同委員会では、そのほかのポイントにおいても、遮へい施設の整備、道路内への植栽、営巣期に配慮した工事スケジュールなど、地区の特色に合わせた保護対策を検討している。
なお生息地9か所については、保護の観点から地名を公表していない。