北陸新幹線安中榛名駅へのアクセス道路整備事業を促進している県安中土木事務所は、これまでの進捗状況と今後の整備スケジュールを明らかにした。同事務所管内の整備延長は約三、七八〇mで第一期工区(二、一八〇m)及び第二期工区(一、五八〇m)の二工区に分け工事の進捗を図っている。
これまでに第一期工区については、新幹線開通にあわせ暫定的に開通しているが、10年度から正規ルートの改良工事に着手しており、11年度も継続して工事を進める。また第二期工区については、先行着手した跨線部分の工事が完了しており、今後は本線部分の用地取得を進めるとともに一部工事を視野に入れている。同事務所のメーン事業として進められている安中榛名駅へのアクセス道整備事業は、同駅の設置を受け平成三年に都市計画決定を行い本格的な道路整備を行うこととなった。
同事務所が所管する区間は、県道恵宝沢原貝戸線から安榛トンネルまでの約三、七八〇m。これを二工区に分け進捗を図っている。第一期工区は、恵宝沢原貝戸線を起点に駅前を通過、主要地方道下仁田安中倉渕線にタッチする二、一八〇m(W=一六m~一九m)。平成七年から工事に着手し、起点交差点から駅前広場までの一、八五六mは、新幹線の開業に合わせ一部暫定的ではあるが二車線道路として開通させた。
この区間については、これまでにJR開発との協議を進め、10年度から正規ルートの改良工事に着手している。また、駅前広場から主要地方道下仁田安中倉渕線までの約二六〇mについては、現在盛り土工事が進められている。11年度もJR開発との協議を進めながら工事の進捗を図るとし、11年度分の工事も早期に発注したい意向だ。
一方、榛名町方面からのアクセス道となる第二期工区は、下仁田安中倉渕線から安榛トンネルまでの一、五八〇m。この区間には、新幹線の東秋間跨線橋部分(L=一二七m)が含まれているため、跨線橋とその前後(約六三〇m)を優先区間として先行整備を行い平成八年末に完了している。その他の部分については、現在用地買収を進めており、これまでに約八〇%を取得している。11年度も用地買収を進め一部工事に着手したい意向だ。同区間には八〇m、一五〇m程度の二つのトンネルも計画されている。
また、榛名町側のルートや約一、〇〇〇mに及ぶ安榛トンネルについては、高崎土木事務所の所管となり、このほどトンネルの修正設計を日本工営(関東支店=埼玉県大宮市宮町3-13-2、電話048-647-8411)に委託している。
安中土木事務所の設楽所長は「アクセス道整備は、同事務所のメーン事業であり、JR開発とも早期に協定を結び、関係各機関との調整を行いながら一日も早い開通を目指し工事の進捗を図っていきたい」と同事業への意欲を見せた。JRによる駅前開発もかなりの遅れはあったものの11年度中には着手されそうだ。