記事

事業者
茨城県河川課

県河川整備計画検討委員会が向堀川など3河川で事業計画見直し

2018/03/29 日本工業経済新聞(茨城版)

 県の河川整備計画検討委員会(委員長=西村仁嗣筑波大学名誉教授)が22日、水戸市の県開発公社ビルで開催された。議事では、利根川圏域と涸沼川圏域の10河川で事業再評価を実施。そのうち向堀川(古河市)、八間堀川(常総市、下妻市)、相野谷川(取手市)は事業計画を見直す。向堀川(古河市)は事業費を7億2600万円増額して33億5600万円とし、今後5年間で仲の橋および鹿養上橋の架け替え、未改修区間の改修を推進する。残事業費は10億5000万円。


 八間堀川(常総市、下妻市)では、関東・東北豪雨の被害を踏まえて一部区間を前倒しで改修したことから事業費を100億円から153億3900万円に増額。さらに、近年の予算配分状況を踏まえて事業期間を28年度から38年度まで延長する。

 相野谷川(取手市)では、国道6号橋の設計成果を踏まえ、事業費を16億4200万円増額して122億9100万円とする。

 委員会の冒頭、県土木部河川課の横田喜一郎課長が関東・東北豪雨における復旧・復興事業が本年度で完了することに感謝の意を表し、「来年度は国体に向け、河川行政の対応が出てくると思われるので、これからもご指導をお願い申し上げる」とあいさつした。

 議事では西村委員長の代理で武若聡委員が議長を務め、河川整備事業の再評価について確認。対象河川は利根川圏域が7河川(向堀川、女沼川、飯沼川、将門川、千代田堀川、八間堀川、相野谷川)で、涸沼川圏域が3河川(涸沼川、涸沼前川、石川川)。

 そのうち、事業計画を変更する向堀川、八間堀川、相野谷川は、費用対効果の分析を実施。向堀川は5・3から1・3に、八間堀川は2・8から4・6に、相野谷川は1・7から1・3にそれぞれ変更となる。

 続いて、総合治水計画について説明があった。県では昨今の豪雨に対応するため、昨年県内6ブロックに減災対策協議会を設置。その協議を踏まえ、従来の「流す対策」(河川改修)や「備える対策」(避難支援)に、ため池や調整池を活用した「貯める対策」を加えた総合治水計画を策定していくことを確認した。

 最後には、利根川圏域河川整備計画に田川が加わった変更案が、ことし1月に国の認可を受けたことが報告された。田川は結城市内を流れる鬼怒川の支川で、施工区間は4・49㎞。10年に一度の豪雨に対応するよう改修していく。

 事業再評価で事業計画を見直す3河川の概要は次のとおり。

 【向堀川】

 施行区間は、泉橋~県道東野田古河先の緑橋の1・9㎞。近年は12~15年度に調査・設計を行い、16年度に仲の橋下流護岸、17年度に仲の橋迂回路、下部工を実施した。進捗率は69%。

 事業計画の見直しでは、仲の橋の設計成果を踏まえ、事業費を26億3000万円から33億5600万円に増額。

 今後5年間では、仲の橋および鹿養上橋の架け替え、未改修区間の改修を推進する。残事業費は10億5000万円。古河駅東部地区土地区画整理事業を踏まえ完了年度を26年度から25年度に1年前倒しする。

 【八間堀川】

 施行区間は、鬼怒川合流点~瑞穂橋の15・38㎞。近年は12~16年度に相平橋~上大橋で確率1/10の河道改修、仲の塚橋上流で確率1/2の河道改修を実施した。捗率は70%。

 事業計画の見直しでは、関東・東北豪雨の被害を踏まえて一部区間を将来計画1/10に前倒しで改修したことから事業費を100億円から153億3900万円に増額。さらに、近年の予算配分状況を踏まえて事業期間を28年度までから38年度までに10年間延長する。

 今後5年間では、市道7号橋の架け替えと未改修区間の暫定改修を推進する。残事業費は46億円。

 【相野谷川】

 施行区間は、主要地方道取手東線の相野谷川橋上流~県道醸造取手線の八丁橋下流の5・375㎞。近年は12~16年度にJR常磐線橋梁の改築を実施した。進捗率は82%。

 事業計画の見直しでは、国道6号橋の設計成果を踏まえて事業費を精査。106億4900万円を122億9100万円に増額する。残事業費は22億6000万円。

 今後5年間では、国道6号橋の架け替え、ボトルネック区間の暫定掘削を推進する。整備完了見通しは38年度。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら