取手市はこのほど、県営土地改良事業等に対する17年度の主な負担金概要を明らかにした。岡堰地区や福岡堰地区の地盤沈下対策事業をはじめ、久賀地区の湛水防除事業、高井地区の経営体育成基盤整備事業、青柳川戸堰の揚水機場新設事業の5事業が対象。このうち経営体育成基盤整備事業では、守谷市外一市一ケ村土地改良区が事業主体となって今年度から5か年で用水、排水路、農道等の各整備を実施していく方針だ。
岡堰地区の地盤沈下対策事業は、岡堰土地改良区管内の用水路に不等沈下による逆勾配、中だるみ等の障害が生じ、農業用水の不足や排水不良等の原因となっているため、昭和59年度から年次計画に基づき、表郷・裏郷・五ケ村の3用水路を改修しているもの。
現在は2期目にあたり、21年度に完了する見込み。今年度は藤代駅南口(宮和田地区)の裏郷用水路を対象に、延長100m、内径1800mmの管水路を改修する方針で、市ではこの県営事業に2637万円を計上する予定。
福岡堰地区における地盤沈下対策事業も、岡堰地区と同様な現状を背景に、九ケ村用水路を小貝東部地区で、山谷用水路を福岡堰3期で、それぞれ改修している。
この地区も平成21年度に完了予定。今年度は藤代地区の九ケ村用水路を対象に、延長250m(内径900mm×650mm)の管水路を改修するほか、伊奈町管内では山谷用水路における管水路改修(延長200m、内径900mm×650mm)も実施する。市は189万円を負担する方針。
一方、久賀地区では湛水防除事業を実施しており、市ではこれに対し今年度に2157万8000円を負担する見込み。
同地区は、小貝川左岸に広がる基盤整備が完了した優良農地区域で、その中心部にある農業用排水路及び流末の排水機場について、地盤沈下の進行等による湛水被害が激化していることから、この事業で湛水被害を未然に防止するもの。
受益面積は、久賀地区が178・6ha、伊奈町地区が38・6haの合計217・2ha。県は平成16~27年度の12か年で工事を実施する。
総事業費は19億4250万円で、主な施設は新川第2排水機場(1か所)や大夫落(だいぶおとし)排水路(延長9・5km)。このうち市では総事業費3億4000万円程度を負担する。
また、高井地区では経営体育成基盤整備事業に対し、今年度に264万6000円を負担する方針。昭和41年~45年にかけてほ場整備が完了しているが、用水施設が老朽化し支障が生じていることから、パイプライン等による用水施設の整備と併せて、排水路及び農道を整備するもので、受益面積は、市内高井地区が71ha、守谷地区が90haの計161ha。
土地改良総合整備として、守谷市外一市一ケ村土地改良区が主体となり、平成13~16年度の4か年で調査設計、17~21年度の5か年で工事を実施する方針で、総工費には14億円(うち市は約1億円を負担)を想定。
工事は、用水機場6か所のほか、パイプライン161ha、用水路9・5km、幹線道路(延長4・8km、幅員5m)、耕作道路(延長10・2km、幅員5m)などが対象となる。
このほか今年度には、青柳川戸堰の揚水機場新設事業に対して、市が2400万円を県に負担する予定。
この事業は、昭和55年のラバーダム設置後、相野谷川の改修に伴い、水位が1m以上低下してしまい自然流下では取水ができないため、新たにポンプ場を新設するもの。
受益面積は、青柳地区の60haで、堰上げにより相野谷川から樋管を通して吸水槽まで水を引き込み、そこからポンプで直接受益地まで圧送する。
工事は単年度で総工費が概算1億1836万円。用水機場1か所のほか、口径300mmと200mmのポンプ設備を1台ずつ整備する。