県土整備部は6月から全面施行する景観法を見据え、その法の精神に基づきさまざまな美しい景観形成や生活環境を守る施策を進めるべく「景観アクションプラン」の策定に今夏から着手する。策定にあたりコンサルタント業者はプロポーザルにて特定する。また、これまでの県の景観条例は自主条例であったが、今年度18年度にかけて法定条例へと移行すべく改正にも取り掛かる。景観法は強制力を伴い、建築物の高さ・デザイン・色彩などが基準に沿わない場合に変更命令をできるようになる。八潮市と戸田市においてはモデル地区と県は位置づけ計画策定を行う。
景観アクションプランとは、景観地区・準景観地区指定などを盛り込んだ景観法(景観協定、重要公共施設など16年12月施行)が6月に全面施行することから、その法を生かした景観まちづくりをさまざまな角度から導入すべく策定するということ。「景観アクションプラン」策定費として当初予算で1234万円余を計上。策定業務は今夏から開始したいとしており、その前にプロポーザル方式にて業者選定する方針。年度末までにアクションプランを策定する。
また、県では「モデル地区景観形成計画」の策定にも着手する。16年度に美しい景観のモデル地区として戸田市の「戸田ボートコース周辺地区」と「八潮市役所通り周辺地区」を選定している。そこで地域住民と協働し景観づくりを行うため、地区内の垣・柵の構造、道路から建物までの距離などの現況調査から入り計画を策定する。同業務は近く指名競争入札で決定する運び。
景観法により従来県が定めていた自主景観条例を、法的強制力を持つ法に基づく委任条例(法定景観条例)へとステップアップさせる。順調ならば18年度内に法定条例へと移行する。法定条例はこれまで岐阜県のみで本県も取り掛かりが早い方となる。18年度には法定景観計画なども定める。
景観法は都市部だけではなく農村部も対象とし警官計画、景観整備機構など具体的な規制や支援措置が定められ、地域の個性が反映されるよう規制内容を柔軟に決めることが可能。また、景観区域の変更命令など強制力を発揮できることを付与していることが大きな特徴。
例えば、景観計画区域においては、建築物の高さ・壁面の位置、工作物のデザイン・色彩など基準があり、届出制度となり、そぐわない場合には変更命令を、また、景観地区でも建築物および工作物は市町村長に認定申請し認定表示、検査があり、場合によつては是正命令、使用制限を実行できる。
市町村は景観計画策定、景観地区指定などを積極的に行いたい場合は知事の同意で景観行政団体になれる。国の景観形成事業推進費も活用できる。県内ではさいたま市と川越市のように政令市と中核市は自動的になれる。これまで戸田、八潮、草加の3市が、秩父市も近く景観行政団体となる。さらに川口市は協議中。