宇都宮市は、中央卸売市場再整備基本計画策定に乗り出すことになった。十一月をめどに素案を作成、年度末までには計画を仕上げる。当初予算では事業費五十一万六千円を措置、市場機能の研究費に充てていく。計画期間は十一~十五年度にわたる五カ年間に設定した。
中央卸売市場は昭和五十年十月、簗瀬町一四九三に開設された。青果、水産の二部があり、生鮮食料品を流通する中核的な役割を果たしてきた。ところが流通経路の多元化に伴い、取扱高は平成三年度をピークに減少に転じるという厳しい状況に直面している。
一方では市場の老朽化が目立ち、施設の近代化が求められている。多数の生産者の安定的な販路となり、小売商にとっても安定した仕入れ先を提供する社会的なシステムは継続すべきと判断。そこで施設整備や市場運営の在り方を模索することにした。
市場を経由しない流通は規格性や貯蔵性を有し、継続的な供給が可能な特定品目に限定。加えて特定大型産地と特定都市の大口需要者との間で取引が成立するとみられる。市では『商品の効率的な集荷・分荷』『透明性の高い価格形成の維持』の強化に努める。
再整備基本計画策定に際しては庁内協議を踏まえながら市議会、市場関係業界、経済団体、市民団体の代表で組織する『市場開設運営協議会』の考えを反映。流通動向を的確に把握・見通したうえ、長期的な視野に立って市場の活性化を図っていく。
内容的には①市場流通の動向(小売り、消費の変化)②市場の現状と将来展望(取扱量、機能)③具体的施策(施設整備、市場運営)の三項目が柱となる。来月からは市場開設運営協議会の意見聴取を開始、来年三月末には仕上がった計画を庁議に付議する。