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埼玉県さいたま市

大宮サッカー場で9月補正に40億円要求/観客席など全面改築/オーロラビジョンも

2005/06/10 埼玉建設新聞

 Jリーグ大宮アルディージャのJ1昇格に伴い、ホームグラウンドとなる大宮サッカー場の改築計画を進める、さいたま市都市局は現在、NTTファシリティーズ(港区、電話0120-727-374)に基本・実施設計業務を委託して作業を進めている。工事については当初、18年度を予定していたが、9月補正予算に約40億円の事業費を要求する方向で調整にっ入っていることがわかった。予算が確保されれば、改築から本体工事を発注、18年度中の完成を目指す。

 改築計画は、アルディージャの昇格により、現在の大宮サッカー場に設置されていない関連設備や、観客数不足の解消などが課題となっている。

 (財)日本サッカー協会のJ1規定によると、観客数席数は1万5000人とされているが、現状は最大で1万2500人の収容数。

 改築計画では、バックスタンドを全面改築し、メーンスタンドもあわせて改修。約1万人分の固定席を確保しながら、1万5000人以上の観客席を確保。

 また、メーンスタンド側にはVIP席や、報道関係者席、カメラスペースと屋根を設置。さらに、オーロラビジョンを含めた電光掲示板の設置や、照明設備の更新も予定されており、臨場感あふれる観戦ができる日本有数のピッチという魅力を活かしつ、J1規格への適合と、競技場としての機能充実を図る。

 同サッカー場は、県営大宮公園内に位置しているため、設計業務と並行して、施工計画に関する調整を県と進める。

 具体的には、市が管理するサッカー場エリアの確認や、ピッチへの散水時に県水の利用が許可されるか、細部にわたって協議。仮に県水利用が困難と判断された場合には、新たな井戸の掘削や、

貯水槽の整備も必要となってくる。

 さらに、Jリーグの試合日程を考慮しながらの工事となることから、駒場グラウンドでのゲーム想定していることから、浦和レッズの協力依頼も検討しているという。

 工期は、1年半を見込んでいることから現在、作業を進めている設計業務を早急に仕上げ、順調にいけば9月補正予算に事業費を要求、本体工は、建築・電気・給排水などに分離しての発注となりそうだ。

 改築に伴うこれまでの作業では、NTTファシリティーズが事前調査、大成基礎設計(さいたま市、電話048-668-4433)が地質調査を実施している。

 大宮区高鼻町の大宮サッカー場は、政令指定都市移行に伴い、県から無償譲渡。昭和39年の東京オリンピックでは、日本初のサッカー専用競技場として利用されたほか、昭和53年のU-20ワールドユース東京大会でも会場となった歴史と伝統のある施設。

 埼玉スタジアム2002整備構想が浮上した際、県は施設の解体を計画したが、サッカーファンや日本サッカー協会の協力による署名活動が実り、施設存続となった。



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