記事

事業者
山梨県土木部

不採算6路線で見直し案/茅野小淵沢韮崎線など/全路線で約89億円削減

2005/06/21 山梨建設新聞

 県土木部は、このほど開かれた県公共事業評価委員会(中村文雄委員長)に道路事業の見直し案を示した。茅野小淵沢韮崎線、飯野新田白根線、町道鹿島落居線(県代行)、町道佐野線(県代行)、甲府山梨線(八幡バイパス2期)、市道上野原棡原線(県代行)の6路線。費用対効果分析が1以下の効率の悪い路線で、交通量が少ないなど地域の実情に合わせて規模の縮小や一時凍結を行い、合わせて164億1000万円の全体事業費を75億円まで削り、約89億円の事業費を削減する。これら事業について同委では今後、現地調査等により意見をとりまとめ11月上旬に県知事に提出、これを受けて県では対応方針を決定し次年度の予算編成等に反映させていく。

 これら6路線のうち、県単地域振興県道整備事業として平成10年度に着工した茅野小淵沢韮崎線(北杜市長坂町本町)は、平成23年度までの予定で全体事業費に30億円を見込み道路改良延長970m、交差点改良2箇所、JR立体改良1箇所で計画されてきたが、見直し後には道路改良は変わらないものの、交差点改良を1箇所とし全体事業を10億円まで削減、費用対効果を1・10とする。交通渋滞の主な原因は、JRガードが交差点内にあるという交差点形状にあるが、長坂駅方面から韮崎方面を結ぶ方向の線形改良に重点をおき、縦交通である小淵沢方面と新たな広域農道との交差が安全かつ円滑に行える交差点改良のみの計画に止める内容とする。

 同じく、県単地域振興県道整備事業として平成11年度から15億円の全体事業費を見込み着手した飯野新田白根線(南アルプス市飯野~曲輪田新田)は、道路改良1820mのバイパスを整備する計画だったが、見直し計画では交差点改良のみに変更し全体事業費を3億円に削減、費用対効果を1・39とする。並行する市道白根2号線に交通を円滑に誘導できるよう、国道52号交差点を右左折レーンを備えた交差点に改良し、既存市道を最大限活用することにより計画バイパスの所期の達成を図る。

 緊急道路整備市町村道県代行事業として平成11年度から着手した町道鹿島落居線(鰍沢町鹿島~六郷町落居)は、全体事業費に72億円を見込み道路改良1900m、鹿島橋202・0m、鹿島落居トンネル532・0mで計画されてきたが、見直し計画では平成19年度の開通を予定する鹿島橋は現行どおりとするもののトンネルを一時凍結するほか道路改良も400m規模と縮小する。国道52号や市川大門下部身延線の整備が順調に進み同路線に転換する交通量の減少が予想されることから、トンネル部を含む両町間については中部横断自動車道の整備計画決定後に改めて調査を行い、費用と効果のバランスのとれた計画に見直した上で、事前評価を行うことにしている。

 緊急道路整備市町村道県代行事業として平成11年度に着手の南部町道佐野線(南部町八木沢)は、全体事業費に13億4500万円を見込み道路改良延長1700m、幅員5・0mで計画されてきたが、交通量が少ないため幅員を4・0mに変更、事業費も11億円と削減する。事業箇所の地形が急峻で、特に山側の法面処理に多額の費用を要していることから、幅員変更により切土高を縮小する。

 地域振興県道整備事業の甲府山梨線八幡バイパス2期(山梨市水口~江曽原)は、平成14年度から23年度の計画で全体事業費に20億円を見込み道路改良2650m、橋梁2基を整備する予定だったが、見直し計画では幅員を縮小した道路改良2600mのみとし事業費を12億円とするほか工期も21年度までと短縮する。フルーツライン以西のバイパス計画を現道の1車線整備に切り替え、早期完成による効果発現を図る。

 緊急道路整備市町村道県代行事業として平成15年度から21年度までの計画で全体事業費に13億6500万円を見込む上野原棡原線(上野原市棡原線2期)は、道路改良400m、橋梁2基で予定されてきたが、見直し計画では道路改良のみとし事業費も4億円に削減する。2車線だと橋梁が2橋必要となることから、1車線として整備するもの。



紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら