街中や道路沿いにあふれている立看板や張り紙などの「違反広告物」を減らそうと、県土木部都市計画課および県内市町村は、改正された県の屋外広告物条例の7月1日施行に合わせて、7月を「屋外広告物適正表示月間」に位置づけ、さまざまな取り組みを行う。
主な取り組みでは、つくばエクスプレス(TX)の開業を8月に控えているため、県ハイヤー協会の協力を得て、TX沿線のつくば市、守谷市、伊奈町、谷和原村の4市町村内を対象に、タクシードライバーが違反広告物を設置しているところを見つけ次第、警察への通報を行う。通報された広告物は、市町村が広告主などへの指導や違反広告物の除却を行う。
改正された県屋外広告物条例は違反者への罰則を強化しており、罰金額は、全国自治体の条例の中で最高額の100万円となっている。
その他にも、違反広告主を市町村の担当者が訪問して、違反広告物の除却などの指導を行う。
さらに、違反広告物が設置されている土地の所有者などに対しては、条例改正の内容を説明し、違反をやめることを指導する。
県では、屋外広告物法に基づいて屋外広告物条例を定め、広告物を表示できる場所など必要な規制を行っている。しかし、立て看板や張り紙など違反広告物が多く、条例違反の検挙件数は年々増加している。
そのため、罰則の強化や広告主・土地所有者の責務などを盛り込んだ改正条例が今年3月の県議会で可決され、今年7月1日から施行されることになった。
そこで県および市町村では、条例の施行に合わせて7月を「屋外広告物適正表示月間」とし、さまざまな取り組みを行うことになった。
県内における屋外広告業者の届出数は、平成15年度末現在で県内289社、県外368社の合計657社。許可件数は、13年度が5万6099件、14年度が5万1250件、15年度が4万9069件。
違反広告物を除去する権限は県が市町村に移譲しており、15年度の簡易除却件数は19万6718件。
屋外広告物条例違反の検挙件数は、12年が14件25名、13年が21件25名、14年が32件52名、15年が22件35名。16年は60件97名と年々増加。
16年は逮捕21名、任意76名。16年の業種別の検挙の内訳は、風俗41件57名、住宅広告9件22名、金融3件5名などとなっている。
屋外広告物適正表示月間(7月)の取り組み内容は次のとおり。
【広告主などへの指導】
<1>違反広告主に対しては、市町村の担当者が広告主を訪問して、条例改正の内容を説明し、特に違反野立広告について、無許可の広告物は許可を申請するよう指導し、禁止地域に設置している場合は除却指導を行う。
<2>違反広告物が設置されている土地の所有者に対しては、設置されている広告物が違法であることを認識してもらい、違法であることを理由に広告主などとの土地の賃貸契約を解消することや、契約を更新しないことを指導する。
<3>屋外広告業者に対しては、条例改正などの内容を解説し、広告主への違反の是正指導を行っていることを説明する。
<4>市町村では、効率的な取り締まりのため、警察署に対して、違反広告物が多い場所や簡易除却を行うことなどの情報を提供する。
<5>ホームページへの掲載などの広報・啓発活動を行う。
【違反行為に対する取り締まりの強化など】
<1>警察では、全県下を対象に違反行為に対する取り締まりを強化する。また、市町村等と連携した取り締まりを行う。
<2>つくばエクスプレスの開業を控えているため、沿線地域の4市町村内を対象に、県ハイヤー協会の協力を得て、タクシードライバーが違反広告物の設置行為を見つけ次第、警察に通報し、実効性のある取り締まりにつなげる。通報内容は市町村にも連絡し、市町村が違反広告主への指導、違反広告物の除却などを行う。