県都市計画審議会(会長=幡谷浩史・県経営者協会副会長)は15日、平成17年度第1回審議会を開き付議案件4件を審議、原案どおり承認した。案件は<1>岩瀬駅前地区の都市再生整備計画を推進するため、駅前広場と都市計画道路岩瀬駅前冨谷線などの規模変更<2>守谷市の都市計画道路郷州沼崎線ほか1路線の変更<3>2件の廃棄物処理施設の敷地に関する都市計画上の支障の有無について。岩瀬駅前地区の変更では、駅前広場の整備場所を西側に移動し面積を5800㎡に拡大。それに伴い、岩瀬駅前富谷線は一部区間の幅員を拡幅する。郷州沼崎線では南側にづらした線形に変更し、合わせて山王下南守谷線の一部を廃止する。廃棄物処理施設は、(有)新栄商事(下妻市)および鹿島産廃(株)(神栖町)が計画している破砕施設の敷地の位置について、都市計画上の支障なしとした。
付議案件の概要は次のとおり。
【下館・結城都市計画道路の変更】
JR岩瀬駅前は、駅前広場がなく、県道岩瀬停車場線も幅員が狭いため、バスが乗り入れできないなどの問題を抱え、国道50号からのアクセス道路である岩瀬駅前富谷線の整備が課題となっている。
岩瀬駅前富谷線は、昭和52年12月に延長約1800mが都市計画決定された。その後、駅から都市計画道路新橋谷中線までの約210mを残して整備が完了している。
そこで県および町では、岩瀬駅周辺地区の都市計画道路網のあり方を再検討し、岩瀬駅前地区の都市再生整備計画を作成。町では、国のまちづくり交付金の採択を昨年6月に受け、平成20年度を目標に整備を進めることになった。
県でも、今年4月に「合併市町村まちなか活性化支援事業」を創設し、岩瀬駅前を対象に、歩道整備などを行う場合に経費や技術を支援することになり、設計や工事などを県が受託する。
再生整備計画では、岩瀬駅前富谷線と駅前広場などを集中的に整備することにしており、都市計画の変更を計画。
主な変更内容は、駅前広場の位置を西側に移動するとともに面積を5800㎡に拡大し、将来の駅自由通路計画を見据えて、今回の駅前広場以外にも東側に拡張用地を留保する。
岩瀬駅前冨谷線では、街並みの景観向上と右折車線を確保するため、今回の事業区間(250m)の幅員を17・5mに統一するため、16m区間を拡幅する。
今後は、都市計画変更の告示を受けて、今年度に道路構造物設計や用地補償を予定。来年度から平成20年度まで用地補償・整備工事などを進めていく。岩瀬駅前地区整備の全体事業費は約20億円。
【取手都市計画道路の変更】
都市計画道路郷州沼崎線は、国道294号の北側を同路線に平行して走る路線で、オオタカの生息環境に影響が少ない線形とするため南側にづらした線形に変更する。
郷州沼崎線は昭和49年8月に都市計画決定。現在までに、ひがし野地区、みずき野地区内が供用され、つくばエクスプレス開業に伴う交通量増加に対応するため、未整備区間の早期整備が急務となっている。
今回変更する地区は、守谷東特定土地区画整理事業の第2期として新市街地の整備が計画されていたが中止になり、加えて、オオタカの生息が確認されている。
同時に、郷州沼崎線と国道294号を結ぶ山王下南守谷線の一部区間を廃止する。山王下南守谷線は昭和49年8月に都市計画決定され、国道294号から常総ふれあい道路までの区間は供用されている。
【廃棄物処理施設の敷地の都市計画上の支障の有無】
◆(有)新栄商事(下妻市、桜井勇代表)が下妻市大字大木地内1万5747㎡に設置している廃プラスチック等の処理施設に、廃プラ類および木くず等の破砕施設(処理能力56・7t/日)を新設する計画について、敷地の位置は都市計画上の支障なしとする。
◆鹿島産廃(株)(神栖町、蛭田博美代表)が神栖町大字賀地内の7365㎡に新設を計画しているがれき類・廃プラ類・木くずの破砕施設(処理能力97・9t/日)について、敷地の位置は都市計画上の支障なしとする。