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埼玉県越谷市

斎場の建設候補地に増林地区を選定、12年度は用地買収と基本設計、着工は順調なら14年度

1999/09/09 埼玉建設新聞

 越谷市が、越谷レイクタウン整備に伴う同市斎場の建設候補地として東部地区の増林地区を選定していることがわかった。市は先月までに同地域土地利用懇談会を開き、斎場ほか公園施設などの建設構想を公表、理解を求めている。斎場建設にあたっては、広域的な施設として整備するものとしており、吉川、松伏両市も候補地を掲げている。しかし、松伏町が公表した下赤岩地区については、住民から反対が起きており、今後は越谷市内での建設が有力視されている。建設地は年内にも決定し、十二年度は用地買収と基本設計に着手。十三年度の実施設計を経て、順調に行けば十四年度にも着工、十六年度の稼働を目指している。

 越谷市の斎場建設候補地は、松伏町境となる増林地内の農地で、付近には十月にも開通予定の「ふれあい橋」がある。候補地を地元住民らに公表したのは、先月開かれた増林地域土地利用懇談会。同地区を候補地として選定したのは、「ふれあい橋」が開通するなど吉川、松伏両市町からの交通アクセスが容易なほか、九年七月には地元住民から建設の要望書が提出されているなどが大きな理由。

 具体的な施設計画は未定だが、公園機能と一体化させたものを想定。敷地面積や斎場規模は未定だが、七年度に三和総合研究所(港区)が行った予備調査では、一八-二〇基の火葬炉を設置するなど二-三案が挙げられている。

 市は今後、建設に伴う地元協議会組織を発足させ、住民からの要望を聞きながら、合意形成を進めていく。

 建設地については松伏町、吉川市でも候補地を挙げており、諸条件が先行して整った地区が決定地となる。松伏町は、五月に下赤岩地区を候補地に挙げたものの、住民から反対の声が多い。また、吉川市は、深井新田地区を候補地としているが、交通アクセスが不便な地域で、説明会の予定は今のところ、ないという。このため、現状では要望書が出されている越谷市内での建設が最も有力だ。

 建設地は年内に決定し、二市一町で整備負担割合を協議、関連予算を十二年度当初に計上する。十二年度は基本設計を行うとともに、用地買収のほか、都市計画決定手続きを進める。十三年度には詳細設計に着手し、十四年度から二か年継続事業で着工、十五年度末の完成を目指す。

 斎場建設計画は、越谷市の既存施設が住宅・都市整備公団施行の越谷レイクタウン事業でJR武蔵野線の新駅設置予定地内にあるため、移転計画が浮上。八年には県東南部都市連絡調整会議で四市二町による広域的利用に対する調査を実施。その後、越谷吉川両市と松伏町で事務連絡協議会を発足、近隣施設の視察や共同調査を行ってきた。



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