栃木市は11月をめどに、伝健地区拠点施設整備事業「集会施設新築工事」(嘉右衛門町)の一般競争入札を公告する。旧福利厚生棟解体撤去跡地に木造2階建て一部平屋建て延べ床面積230平方mの新施設を建設する。予算額は1億3995万4000円。設計は昨年度に青木建築設計事務所(栃木市)が担当した。工期は9カ月を見込んでいる。
市は旧ヤマサ味噌工場敷地5977・84平方m、建物の総延べ床面積5543・59平方mを取得。一帯の観光振興や市民活動拠点施設化を目的に、1期工事では例幣使通り(市道11063号線)沿いの「まちガイドゾーン」の整備を優先する。
当面は例幣使通りに面する2階建て見世蔵、2階建て土蔵、平屋建て主屋、平屋建て店舗の計4棟の改修を急ぐ。ガイダンスセンター、テナント1(喫茶室)、テナント2(事務室)の改修とともに、屋外トイレを新設中。喫茶室運営は民間事業者を公募する。
現段階では来年1月早々には公募型プロポーザルを公告し、3月上旬には民間事業者を選定。市は建物の賃貸借契約を締結し、民間事業者が自己資金でキッチンやテーブル類を整備する。新型コロナウイルスの推移を踏まえ、公告時期や契約時期は再検討する。
例幣使通り沿いを先行整備するのは、ガイド機能の強化が狙い。インフォメーションセンターをはじめトイレ、休憩所、災害避難所を設け、課題を解決。地域イベントに活用する中庭も早期に整備し、地域のにぎわいを創出していく。
当初は2期工事で北側の「レクリエーションゾーン」、3期工事で南側の「まちづくりゾーン」を整備し、建物ごとに工事の前年度に設計を委託する手法で保存整備スケジュールを組んだ。伝統的建造物は耐震補強の上で修理し、それ以外の建造物は減築の対象。
大型公共事業の見直しにより、伝建地区拠点整備事業は第1期工事が終了する2022年度で一区切りとする。ただし特定建築物の保全や倒壊の恐れのある建物の安全管理に必要な予算は確保。財政事情好転後には再開する方針。計画当初の完成予定は27年度。