県が二十七日に開いた二回目の新山梨環状道路懇話会で、建設省・甲府工事事務所は同北部ルート案の概要を初めて公表した。それによると、同ルートは幅五〇〇mの荒いものだが、家屋密集地や史跡・文化財等を出来る限り避けたものとなっており、かなりの部分が山地を通過するトンネルとなる見通し。また、基本的な道路構造を四車線規格とし、交差点は立体交差、走行速度は六〇~八〇kmとする。同事務所では、懇話会の意見を考慮するなどしルートを選定するが、最終決定までには三年ほどがかかるという。
新山梨環状道路は、甲府市から伸びる放射状道路を連絡し、甲府都市圏を取り囲む全延長約二九kmの地域高規格道路。東西南北の四区間に分けて建設され、西部区間(一〇km)は中部横断自動車道を利用するほか、南部区間(一〇km)は県が整備を進めている。
北部ルートは、延長約一五kmで建設省が施行を担う。今回説明のルートは、甲府市桜井町地内の西関東連絡道路を起点に、武田神社、国立西甲府病院の北側を通過した後、中央道に接続し双葉町地内の国道二〇号に連絡する内容。
同事務所は、ルート選定にあたって、①生活環境、自然環境及び景観等に配慮した計画とする②通勤、通学、都市内の渋滞を解消するため甲府市街地と連絡が図られる位置とする③主要な道路と接続して地域の生活が便利になるようにする④中央道、中部横断及び西関東連絡道と結ぶ⑤学校など公共施設や家屋に密集地等をなるべく避けた計画とする⑥貴重な史跡、文化財や国立公園等への影響を最小限とする⑦安全で快適な走行を確保し、自動車がスムーズに走れるように配慮する、などと説明した。