さいたま市の清水勇人市長は27日、「浦和駅周辺まちづくりビジョン有識者懇話会」を新たに設置すると発表した。世界的な建築家である隈研吾氏を会長に招く。JR浦和駅一帯の課題解決や、理想を追求した新指針を地域とともにつくり上げる意欲を示した。
初会合を8月28日に青少年宇宙科学館で開く。11月に新ビジョンの骨子を固め、2023年3月までにビジョンを決定する。検討範囲は、浦和駅から北浦和駅周辺までの約600ha。
移転が決まった現本庁舎の跡地利用も考慮し、広域的なまちづくりの将来像を打ち出す。別途検討が進む新庁舎基本構想との整合性を図る。
市街地の再構築では、駅周辺に立地する古い建築物の機能更新、災害リスクが高い地域の不燃化促進などが検討課題。主要な文化施設(中央図書館、恭慶館など)の現状確認も行い、活用の可能性を検討する見通し。
会長就任を受け、隈氏は市にメッセージを寄せた。「欧米では、教育を核としたまちづくりが非常に重要。そこから良い循環が生まれ、輝きが増す。さいたま市でも同じことが起きる」と展望を明かした。
記者会見した清水市長は、環境と文化に溶け込む隈氏のデザイン力に期待し、会長就任を要請したと説明。懇話会を通じ、世界的な視野と地域の声を融合させる。