県都市整備部は今年度から耐震判定委員会の事務局を民間の団体に委託しており、9月末時点での耐震判定委員会に諮っている業務数をまとめた。それによると耐震診断は31棟30施設、補強設計は28棟23施設、補強工事は23棟23施設。民間の耐震判定委員会とは埼玉建築設計監理協会と埼玉県建築士事務所協会が事務局を務める委員会のことで、担当課は「事務局も民でできることは民に任せる」としている。流れはこれまでどおりで、診断だけで大丈夫か、耐震補強設計の必要性の有無などを判断してもらう。
「埼玉県県有施設耐震判定委員会」は16年度まで営繕課が事務局だったが、事務局そのものを埼玉建築設計監理協会と埼玉県建築士事務所協会に委託している。営繕課によると「民間にできることは民間に任せる」としている。埼玉建築設計監理協会は「既存建築物耐震性能判定委員会」(委員長は広沢雅也工学院大学教授)を、また、埼玉県建築士事務所協会は「埼玉県建築士事務所協会」(委員長は村上雅也早稲田大学理工学部総合研究センター教授)を7年度にそれぞれ設立している。
耐震診断業務などを営繕課と営繕工事事務所が発注した後、落札した建築士事務所が自らの加盟している協会が持つ委員会に諮るか、いずれにも加盟している場合はいずれかを選択することになっている。
それぞれの判定委員会は今年度2ないし3回程度さいたま共済会館などで開催し、1件1件議論している。委員会の内容は従来どおりで、耐震診断マニュアル策定、耐震判定基準、耐震補強マニュアル、耐震診断の解析方法などに関することを検討する。
具体的には、耐震診断業務の中で、耐震補強設計を必要かどうか、どの程度の補強策を講ずるのかなどを順番に1棟ごとに精査していく。
9月末時点における今年度の予定では耐震診断は31棟30施設。補強設計は28棟23施設ですべて県立高校となっている。今後委託する施設も含むようだ。
本紙調査では、営繕課発注分が久喜工業高校、上尾高校、所沢、所沢北高校、豊岡高校、桶川高校など体育館の耐震診断業務が多いことが分かった。合計14件を8月31日までに委託している。
一方、営繕工事事務所では進修館高校、不動岡誠和高校、皆野高校の体育館以外にもさきたま資料館と防災行政無線堂平山中継所局舎といった学校以外の施設も実施している。9月28日までに6業務を委託している。