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国土交通省久慈川緊急治水対策河川事務所,茨城県常陸大宮土木事務所,茨城県日立市,茨城県北茨城市

河川改修まとめ④県北地区編/久慈川治水対策進む/中丸川は築堤整備着手へ

2021/08/21 日本工業経済新聞(茨城版)

 第4回目は県北地区で進む主な河川改修事業についてまとめた。久慈川緊急治水対策河川事務所では、用地取得を中心に、堤防整備や河道掘削などの改良復旧、霞堤の保全・整備を進める。中丸川の整備に取り組む県常陸大宮土木事務所では、下流部分で築堤整備に着手するほか、上流部では調節池堤防に放流施設や洪水吐施設を整備し、支川付近の左岸には排水樋管を設置する。日立市では、3河川で合計3000立方mの土砂を撤去する。北茨城市では、高井川にL型水路の敷設を行う。

【久慈川緊急治水対策河川事務所】

 ◆久慈川=総事業費約350億円(改良復旧約272億円、災害復旧約78億円)を措置し、事業期間の2024年度までに多重防御治水と減災に向けた「久慈川緊急治水対策プロジェクト」を推進する。

 これまでの取り組みでは、直轄区間(日立市、常陸太田市、那珂市など)や権限代行区間(大子町、常陸大宮市)の各地区で、測量や設計が完了。21年4月には、県の協力により代行区間の用地事務を行う「久慈川分室」を常陸大宮市内に設置した。事務所と分室で連携して用地交渉・買収を進めていく。

 工事関係では、久慈川左岸小貫地先(常陸大宮市小貫~下岩瀬)で、河川土工(掘削工ICT、1万2400立方m)や盛土工(1万1600立方m)、アスファルト舗装など。久慈川左岸西野内地先(常陸大宮市西野内)では、河川土工(盛土、約8260立方m)、法覆護岸工(コンクリートブロック張、約1964㎡)、植生工(張芝、約820㎡)、アスファルト舗装(約740㎡)などを本年度に実施する。

【県常陸大宮土木事務所】

 ◆中丸川=下流部分の大川(ひたちなか市)との支川付近で、築堤整備(L300m)を行う。工事は10月ごろに一般競争入札で発注する。上流部では、調節池堤防に放流施設や洪水吐施設を整備するほか、支川付近の左岸に排水樋管1基を設置する。

 中丸川は、ひたちなか市内を流れ、那珂川に合流する流路延長7・6㎞、流域面積44・8k㎡の一級河川。事業費には2021年度当初予算に3億5000万円、20年度補正繰り越し分3億9000万円を確保している。

 今後も、ひたちなか市が進めている大川改修事業や下水道事業(雨水幹線整備)との連携、さらに中丸川上流部の調整池整備に合わせて河道整備を行い、流域内の家屋浸水や道路冠水の早期軽減を図っていく。

【日立市】

 ◆小石川、数沢川、落見川=3河川のしゅんせつ工事を間もなく発注する。工期は約150日。当初予算では工事費に6117万1000円を確保した。撤去する土砂の搬出量は▽小石川(十王町山部)=L360m、1270立方m▽数沢川(高鈴町・助川町)=L350m、760立方m▽落見川(大和田町・神田町)=L1020m、970立方m―。現況で河川断面に対し、土砂が堆積している割り合いが多い。しゅんせつ工と合わせて伐採なども行う。

【北茨城市】

 ◆高井川=大型水路敷設工事を10~11月に一般競争入札で発注する。工期は約4カ月で、年度内の完成を目指す。当初予算では工事費1500万円を確保した。水路幅が自由に選定可能なL型を採用し、延長20mを整備する。

 高井川の上流部では自然護岸部の崩落や土砂堆積による滞水が生じていることから、流水を円滑にするために継続して改修を進めている。

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