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群馬県沼田市

自然史資料館を建設/旧利根村区域過疎計画・公営住宅なども

2005/11/05 群馬建設新聞

 沼田市は、過疎地域自立促進特別措置法に基づき地域指定されている旧利根村区域の過疎地域自立促進計画を明らかにした。それによると、17年4月1日から22年3月31日までの5年間を計画期間に設定しており、過疎地域として総合的に分析し、産業の振興、交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進、特に吹割の滝・老神温泉周辺等の観光整備、地域間交流、市道、農林道の整備を最重点にして「地域住民にとっての生活の場」「ゆとりややすらぎ、学びの場」「地域自立への新たな挑戦の場」「美しく豊かな水と緑を育む場」と位置付け、過疎地域住民と都市部住民双方にとってかけがえのない地域であるとの観点に立った地域整備の推進を図る。

 同計画では、整備を促進していくために「豊かな地域をつくる基盤の整備」「健康で住みよい生活環境づくり」「明日を拓く教育文化の促進」の3点を重点に対応していくとし、さらに各項目ごとにハード事業をまとめている。

 項目としては◇産業の振興◇交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進◇生活環境の整備◇高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進◇医療の確保◇教育の振興◇地域文化の振興等◇集落の整備◇その他地域の自立促進に関し必要な事項--に分けて示しており、それぞれの現況と問題点、その対策と具体的な事業計画を盛り込んでいる。

【産業の振興】

同区域においては、老神温泉を中心として、吹割の滝、薗原湖、皇海山、赤城山周辺、日帰り温泉施設南郷温泉しゃくなげの湯等と資源に恵まれているが、近年の高速道路などの高速交通体系の整備の進化と合わせ、長引く景気低迷による観光消費額の減少等が見られてている。そのため今後は、観光客のニーズを捉え、豊富な観光資源の連携を図り、農業等の融和による地域の特色を活かした広域的な観光事業を推進する。また、林業の充実として林業地域振興整備計画に基づき、林道、作業道の整備を推進。造林、間伐、除伐等に力を注ぎ、国産材の復活を視野に入れ、優良材を生産するため継続して事業を実施すると共に水源かん養としての森林整備を行う。

【交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進】

国・県道の整備促進については、国道120号椎坂峠のトンネルを含むバイパス整備の早期実現、国道120号伊香原交差点及び主要地方道平川横塚線「幡谷橋」架け替え改良整備の促進、国道120号金精峠の年間通行の実施、及び県道日向南郷大原線の改良、安全施設の施工などを引き続き要請。また、市道整備については、基幹的生活道路を優先に維持、改良、舗装等を実施し地域住民の安全確保を図り、輪組輪久原線の改良整備についても県代行事業を要望する。さらに農林道の整備についても同様に改良や舗装、安全施設の整備を図る。

【生活環境の整備】

簡易水道事業においては、安定した水量・水質の水源を確保し、水道の広域化・管網整備、管理体制の充実を図り、飲料水の安定供給を確保。衛生施設及び下水道事業では、し尿処理施設の整備を特定環境保全公共下水道事業や農業集落排水事業、合併処理浄化槽設置事業の進捗状況を見据えながら計画的に整備を促進し、市営住宅の充実として安定した住宅の供給を行い、過疎の歯止めと人口の定着化を進める。

【高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進】

少子化対策において講習会等を開催し、環境整備を進め、保健福祉、雇用、教育、住宅など幅広い分野の施策を勘案。さらに低年齢児の受け入れ体制の整備と保健ニーズの把握に努め、必要なサービスを実施し、保育園の充実を図る。

【医療の確保】

関係医療機関との連携強化により、地域の実態に即した機能的な医療体制の確立と住民が適正な医療が受けられるよう知識の普及と指導の実現を試みる。

【教育の振興】

地域の実情に十分配慮しながら小中学校の統廃合を推進し、社会教育の充実として環境教育や情報教育の推進のための機器や図書の整備等の充実をさらに図り、そのための拠点整備を進める。また、社会体育活動を協力に推し進めるため、社会体育施設整備を行う。

【地域文化の振興等】

地域の「文化力」が活性化の鍵となるため、地域文化の拠点の整備を進め、伝統芸能や伝承文化の保存事業や継承事業を促進。特に同地域においては、国の天然記念物及び名勝「吹割渓ならびに吹割瀑」を始めとする多くの貴重な文化財がある。そのため、それらを後世に残すための保存整備を図り、その活用のための調査・研究に努める。

【集落の整備】

同地域の行政区の中には、10世帯以下の集落もあるため、地域住民の意向を踏まえ、行政区の統合を図り、生活環境や生活等の整備による若者層の定住促進や都会からのUIターンを推進する。

【その他地域の自立促進に関し必要な事項】

土地の基本的な情報を明らかにし、有効活用及び保全を図るため、継続して地籍調査を行い、土地対策を計画的に進める。

 (整備項目は6面に掲載)



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