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長期修繕計画は30年/マンション管理ガイドライン

2005/11/07 埼玉建設新聞

 東京都都市整備局は、「マンション管理ガイドライン」を策定した。分譲事業者などが実施することが望ましい事項を明示しており、特に管理組合が行うことが望ましい維持管理の具体的な事項として、30年の長期修繕計画の策定や同計画と連動した修繕積立金の確保、管理委託の履行状況の確認などを掲げている。なお、販売時を含めたマンション管理への施策は、全国初の取組みとなる。

 都内の分譲マンションのストックは、ここ10年間で約2倍に増加し、120万戸を超えるなど、主要な居住形態となっている。一方、共同居住に欠かせない管理組合活動への参加が低く(57・8%)、実態に即した長期修繕計画が不備(31・66%)また大規模修繕積立金も不十分(43・4%)など、管理組合の活動が不十分な分譲マンションでは、適切な維持管理が行われていないケースも多いとされる。さらに、新規分譲時に維持管理に係る情報提供が不十分であることや、購入者に維持管理に関する基本的な知識が十分でないことなどが、入居後の住まい方や管理運営面を巡る様々な問題の一要因となっているなどの現状から、ガイドラインを策定した。

 実施が望ましいとされる主な事項は次のとおり。

【分譲事業者等】

▽販売セールス時には、マンションの維持管理に関する事項(入居後の維持管理に必要な経費、長期修繕計画案概要など)をリーフレットなどで、モデルルームなどを訪れる購入検討者に周知

▽契約時などでは、長期修繕計画について、入居後一定期間(概ね5年)経過後に管理組合が、建物などの現状に照らして自主的に見直しする旨を、管理規約案に予め規定すること

▽管理組合の設立に関しては、分譲事業者などは入居開始後およそ3か月以内に管理組合設立総会が開かれるよう協力

▽維持管理に重要な設計図面などを速やかに管理組合へ引き継ぐ

【管理組合】

▽会計担当のほかコミュニティ活動、広報、危機管理(防犯、防災対策)、その他状況に応じた担当理事を設置

▽管理費・修繕積立金などの未収金発生時における対応の例示

▽管理委託契約の締結などにかかる手順などのルール設定

▽管理業者の委託業務の履行状況確認

▽長期修繕計画の策定期間は、昇降機の交換、外壁の大規模修繕などを視野に、30年の計画が望ましい

▽長期修繕計画は、建物の現状や周辺環境を考慮し、概ね5年程度で定期的に見直す必要がある

▽防犯、バリアフリー化など生活環境の改善に向けた継続的な取組みを図る



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