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栃木県鹿沼市

鹿沼市、鹿沼フェニックス 埋め立て容量3.5万m3、2期工事23年度着工へ

2022/01/08 日本工業経済新聞(栃木版)

 鹿沼市は、一般廃棄物最終処分場「鹿沼フェニックス」(磯町157-14)の第2期整備事業に着手した。第2期工事は埋め立て面積9200平方m、埋め立て容量3万5000立方mを計画。2021年度の実施設計は八千代エンジニヤリングに委託し、22年度は必要な諸手続きを済ませる。工事は23年度に着工し、24年度の完成を目指す。総工費約5億円を見込んでいる。

 鹿沼フェニックスは21年12月に着工し、23年4月に稼働を開始。南押原地区を東西方向に横断する東北自動車道、それぞれ南北方向に縦断する東側の1級河川黒川、西側の国道352号に挟まれた総面積4万9200平方mに立地する。

 第1期工事の埋め立て面積は2万7000平方m、埋め立て容量11万2000立方m。焼却灰と破砕残渣の2種類を搬入し、市民生活に欠かせない廃棄物をセル方式で埋め立てている。自然の地形を利用し、周囲を土堰堤で遮水。総事業費約12億円が投じられた。

 厚さ4㎜の長繊維系不織布、暑さ1・5㎜の加硫系ゴム遮水シート、厚さ4㎜の長繊維系不織布の3層構造で浸出水の流出を防止。漏水検知システムで埋め立て地内部を自動管理。雨水は外周水路、地下水は地下管、遮水シート上の浸出水は浸出水管に流れ込む。

 取水・貯留設備で水を攪拌し水質を均一化後、前処理設備でカルシウムを分解し回転円板方式の生物処理設備でBOD成分を除去。凝集沈殿処理設備~砂ろ過・活性炭吸着処理設備~滅菌・放流設備で塩素消毒後、脱水汚泥を埋め立て地に搬出する。

 浸出水はポンプピットから調整池~処理施設へポンプアップされ、完全浄化後に黒川へ放流する。浸出水処理施設は1日当たり110立方mを処理。第1期埋め立て地は稼働開始以来30年近くが経過。満杯になる前に安定操業を維持する環境を整える。

 近年は市民へのごみ排出量削減啓発運動やごみ再資源化方策が功を奏し、人口減少と相まって埋め立て可能年数が延長。一方では予測困難な自然災害に伴う大量のごみ残渣が発生し、正確なごみ搬入量の把握が困難な状況。総合的に勘案し、第2期整備を決断した。

 現敷地内北側に第2期埋め立て地は確保しており、用地取得は不要。第1期工事では一定間隔のガス抜き抗、採水口、第1期工区との境目に第2区画堤を整備した。第1期工法との整合性を図りつつ、導入可能な最新鋭工法技術の採用を検討する。

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