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栃木県鹿沼市

鹿沼市総合計画案、防災、多核連携、デジタル、鹿沼木材を積極活用

2022/01/19 日本工業経済新聞(栃木版)

 鹿沼市は、第8次市総合計画の素案をまとめた。重点プロジェクトには「防災力強化」「多核連携型拠点形成」「Society5・0の実現に向けたデジタル化」の3つを位置付け、持続可能なまちづくりを加速させる。「強さ」と「しなやかさ」を持つ安全安心な都市基盤や地域、経済社会の構築を目指しコンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくりを推進する。

 総合計画は2022~31年度の10年間を展望した「基本構想」、22~26年度の5カ年間の具体的な施策を盛り込んだ「基本計画」、単年度予算と連動した1年間の「実施計画」の3層で構成。「花と緑と清流のまち」「笑顔あふれるやさしいまち」が目標。

 基本構想は政策の方向性に①子育て・教育(すこやか)②健康・福祉(にこやか)③産業・文化(にぎやか)④自然環境(きよらか)⑤都市基盤・危機管理(しなやか)⑥市民協働(なごやかさ)⑦行政経営(たくましさ)-の7つの柱を設定した。

 重点プロジェクトは複数分野の連携が不可欠な横断的取り組みを抽出。災害に強い都市基盤を整備し、誰1人取り残さない防災体制を構築。将来世代にツケを残さない多核連携型拠点づくり、様々な分野のデジタル化により新しい価値を創出する。

 都市基盤・危機管理では医療、福祉施設、商業施設、住居がまとまって立地し、都市全体の構造を見直すコンパクトシティ・プラス・ネットワークを進める。各地域の地勢や実情に応じ、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる都市基盤を構築する。

 水道配水施設の計画的な更新や耐震化、下水道処理施設や管渠の耐震・長寿命化、JR鹿沼駅東側の都市基盤整備を通じた交通結節点の機能強化、生活道路や通学路の交通安全施設整備、河川の流水機能確保、消防通信機器の計画的な更新に努める。

 産業・文化は県との連携による鹿沼インター産業団地の早期整備、南摩ダム周辺への温泉施設、飲食施設、キャンプ場を備えた拠点施設整備、農地集積による経営の大規模化、公共施設への鹿沼産木材の積極活用、鹿沼産木材の認知度向上と販路拡大に取り組む。

 子育て・教育は民間活力による幼稚園の認定こども園化や適正配置、公立保育園の計画修繕、学校施設の門扉やフェンスの設置、非構造部材の耐震化、市民文化センターの計画的な改修を進める。自然環境は粗大ごみ処理施設長寿命化、ストックヤードを新設する。

 市民協働は自助、共助、公助のあるべき姿を模索。地域全体が協働し、各政策を実行。どこにでも居場所や活躍する機会があり、全世代活躍型社会を形成。行政だけでなく多様な主体が継続的に活動し、市民サービスを維持し地域課題を解決する。

 行政経営は市民から信頼され、各政策実現の基軸の役割を果たしながら持続可能なまちを市民と共創。事務事業の見直し、公共施設の新設・統廃合、近隣自治体との広域連携を通じた行政のスリム化、行財政改革に取り組んでいく。

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