農林水産省は、2021年5月に公表した「人・農地など関連施策の見直し」について施策の対応方向を加えて取りまとめた。具体的には、地域の農業・農地利用のマスタープランとなる「人・農地プラン」を市町村が策定する計画として法定化するほか、地域の土地改良事業の計画で定めた農地の大区画化などを踏まえたプランとするなどとしている。
人・農地プランと合わせ市町村が作成する目標地図は、10年後に目指すべき農地の効率的・総合的な利用の姿を明確化するもの(3年程度の周知・作成期間を設定)で、農地の集約などに関する基準に適合するよう作成する。国は目標地図作成の進ちょくや先進的な取り組み事例を公表し、予算配分などで支援していく。
また、農地バンクでは分散している農地をまとめて借り受け、農家負担ゼロの基盤整備(適用事業を拡充予定)を通じて一団の形で転貸し集約化を実現。地域集積協力金も活用し、農地バンク経由の転貸(農作業受委託を含む)を集中的に実施するとした。農地バンクは目標地図内の農地を、遊休農地・所有者不明農地も含め幅広く引き受けるよう運用を見直す。
近年の豪雨被害に対し流域治水対策の推進では、農業用ため池などの有効活用や田んぼダムに取り組むための合意形成を支援する。土地改良法では農業用ため池や排水機場などの水利施設について国や地方自治体が、農業者の費用負担や同意を求めずに地震対策を実施できるとされ、この仕組みを豪雨対策にも適用するとした。
施策の対応方向は20年12月に改訂した「地域の活力創造プラン」に基づき、農業経営を行う人の確保と農地の適切な利用促進、農村における所得と雇用機会の確保などを図るための施策の在り方について検討を行い、21年5月「人・農地など関連施策の見直し」として取りまとめた。
項目は①総論②人・農地プラン③農地バンク等④人の確保・育成⑤持続的な農地利用を支える取組の推進⑥農村における所得と雇用機会の確保⑦安心・安全な生活環境の確保⑧農地の長期的な利用⑨農村をサポートする人材の育成⑩関係府省などと連携した仕組みづくり⑪今後の進め方。