矢板市の2022年度一般会計当初予算案の規模は、前年度比約7%増の139億2000万円程度になることが分かった。文化スポーツ複合施設の建設費や国民体育大会関連整備費を計上し、普通建設事業費は16億円程度になる見込み。複合施設は22~23年度継続事業の初年度分7億6580万円。東小学校の長寿命化改修に向けた基本計画策定に960万円を計上する。
当初予算案は14日までに齋藤淳一郎市長の査定を終え、内容がほぼ固まった。予算案は新型コロナウイルス感染症対策に万全を期し、アフターコロナにも重きを置いた事業も多く盛り込まれる。
末広町のフットボールセンター内に整備する文化スポーツ複合施設は工事監理業務委託料990万円、工事費7億5500万円。基本設計によると、規模はRC造2階建て延べ2943平方m(ランニングコース含め3269平方m)。
バスケットボールコート1面分のアリーナと多機能ホールをそれぞれ配置。多機能ホールには折り畳み可動式ステージ、移動式観覧席518席(ひな壇式216席、簡易観覧席302席)を設置する計画。
22年度は早期に工事の入札を行い8~9月頃に着工。23年12月の竣工、24年度初頭のオープンを目指している。本体工事費は15億8200万円、外構工事費に2億円を試算。基本・実施設計はフケタ設計。
国体関連は会場となる矢板運動公園にアクセスする市道長井幸岡1号線などの舗装修繕工事に4300万円、市道幸岡塩田8号線の区画線設置や樹木の剪定に400万円、矢板運動公園内の管理道路や園路の改修、陸上競技場の駐車場整備などに6000万円。
東小学校は小中学校適正規模・適正配置計画の基幹校。22年4月に豊田小を、23年4月に川崎小の一部を東小に統合する。校舎や体育館は築50年近くが経過。老朽化や現代の教育環境への対応に必要な改修を実施。事業費は30億円規模を想定している。
基本計画で機能などを検討。23年度に基本設計、24年度に実施設計と仮設校舎の設置、25~27年度に校舎や体育館改修工事を行う計画。
各施設の概要は普通教室棟(東)が75年建設のRC造3階建て延べ床1845平方m、普通教室棟(西)は80年建設のRC造3階建て延べ床741平方m。管理教室棟は75年建設のRC造2階建て延べ床1875平方m。体育館は76年建設のS造2階建て延べ床778平方m。
このほか、国の2050年カーボンニュートラルを見据えた再生可能エネルギー導入計画の策定と、地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)の策定に1200万円の委託料を計上。
地域おこし協力隊を活用した林業振興に1650万円を措置。市有林や市管理林道、森林経営管理制度に基づいて市が受託する森林の管理活動、農山村での事業継承可能性調査などを実施する。
国の21年度補正予算に伴う新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(約1億6700万円)の事業についても22年度実施予定の取り組みは当初予算に計上する方針。
学校体育館トイレ改修に3540万円、小中学校情報機器整備に2300万円、行政事務デジタル化に2920万円、市デジタルミュージアムコンテンツの充実に1040万円、商品包装資材の配布に300万円を計上する。
最終的な予算案は2月10日に発表される。