国土交通省がまとめた2021年の新設住宅着工戸数は、前年比5・0%増の85万6484戸となり、5年ぶりに増加したものの、過去10年間で見ると2番目の低水準だった。81万戸台を記録した20年からは回復傾向にあるが、2年連続で90万戸を割り込んだ。
持家は前年比9・4%増の28万5575戸で、2年ぶりに増加。貸家は同比4・8%増の32万1376戸となり、4年ぶりに増加している。分譲住宅は、マンションが同比6・1%減の10万1292戸で2年連続減少し過去10年では最も低い水準を記録した。一方、販売の好調が続く一戸建住宅は同比7・9%増の14万1094戸で2年ぶりに増加し、過去10年間では3番目に高い水準だった。分譲住宅全体では、同比1・5%増で前年の減少から再び増加へ転じた。新設住宅着工床面積は同比6・3%増の7066万6000㎡で、5年ぶりに増加している。
21年の民間非居住建築物の着工床面積は、前年比10・5%増の4387万㎡で3年ぶりに増加した。前年比で事務所は4年ぶり、店舗と工場は3年ぶり、倉庫は2年連続で増加するなど、いずれも好調だった。
21年12月単月では、新設住宅着工戸数は前年同月比4・2%増の6万8393戸で10カ月連続の増加に。持家は14カ月ぶりに減少したが、貸家は10カ月連続、分譲住宅は3カ月連続で増加した。民間非居住建築物の着工床面積は447万㎡で、4カ月連続の増加となった。特に工場と倉庫は大規模物件の影響もあり、前年同月比で大幅に増えている。
国交省では今後の住宅着工について、資材価格の高騰や部材供給の遅延、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり「今後の市場動向を注意深く見守る必要がある」としている。