新潟市秋葉区の秋葉公園内に設置する東屋を 新津工業高校日本建築科の生徒が製作する。東屋は、幅約5・5m×奥行き約7・3m×高さ約4m。金物や釘を使わず、筋交いも入れない、寺社等の鐘楼(しょうろう)などで用いられる柱に傾きを設けた「転び」の技術を用いた伝統工法で製作。秋葉公園内の五峯閣展望台のある広場に設置され、完成は夏ごろを予定する。昨年から3年生が製作を進めており、春からは新3年生に引き継がれる。
同校が日本建築家協会(JIA)北関東甲信越学生設計コンクール2021の銀賞作品を区役所玄関に展示したことをきっかけに、秋葉区が秋葉公園の利便性向上、地域人材育成のため製作を依頼。日ごろから同校で指導している山崎建築(新潟市江南区)のサポートの下、日本建築科の生徒が製作を進める。1月28日には、秋葉区役所で同校と秋葉区、山崎建築の3者で協定が交わされた。
秋葉区の夏目久義区長は「区民からより親しまれる公園となることが期待され、新津工業高校の生徒がより成長できる実践の機会となることを願う」とし、新津工業高校の住吉宏校長は「伝統工法の建築を実践的、体験的に学ぶとともに、ものづくり職人を志す生徒にとって技術の向上だけでなく、完成後の達成感や地域社会への参画意識を高める教育的な効果は絶大なものである」とした。山崎建築の山崎四雄氏は「よく見ると高度な技術を使ってつくられる建築物であり、プロに見せたい建物を作っている。全国の大工に自慢できるようにしたい」と語った。
【写真=東屋制作へ3者が協定】