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国土交通省

【偽装一人親方】現場入場認めない扱いも/下請指導指針改訂案へ

2022/02/08 本社配信

 国土交通省は、社会保険加入や働き方改革の規制逃れを目的とする「偽装一人親方化」対策として社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインを年度内に改訂し、「適正一人親方の目安」の当面の運用などを記載する。一人親方の実態の適切性を確認した上で、実態が雇用労働者であるにもかかわらず一人親方として仕事をさせている場合、元請け企業は下請け企業に雇用契約の締結、働き方に合った社会保険の加入や法定福利費の確保を促し、再三の指導に応じず改善が見られなければ「現場入場を認めない取り扱いとする」ことを明記する。

 偽装一人親方として仕事をさせていると疑われる例に関しては、▽年齢が10代の技能者で一人親方として扱われている▽経験年数が3年未満の技能者で一人親方として扱われている▽働き方自己診断チェックリストで確認した結果、雇用労働者に当てはまる働き方をしている―ことを挙げた。10代や経験3年未満の未熟な技能者については、処遇改善や技能向上の観点から、ひとまずは雇用関係へ導入していく方針も盛り込む。

 元請け企業が直接、一人親方と請負契約を締結する場合、建設業法を順守して取引の適正化に努め、見積書を事前に交わすことや請負契約書を書面で交付することの徹底を求める。また、事業主が労務関係諸経費を削減する意図で、これまで雇用関係にあった労働者を対象に個人事業主として請負契約を結ぶことは、請負契約の形式であっても実態に照らして労働者に該当する場合、偽装請負として労働関係法令に抵触する恐れがあるため、働き方自己診断チェックリストの活用による実態確認を促す。

 なお、適正ではない一人親方の目安と自己診断チェックリストの活用の在り方については、ガイドラインの運用状況などを踏まえつつ、さらなる検討を行う考えで、2023年度末に一定の方向性を示すとしている。

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