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佐野市、義務教育2校創設、佐野西は新年度着手、総事業費122億円 城東は24年度から

2022/02/11 日本工業経済新聞(栃木版)

 佐野市教育委員会は、新たに2校の中学校区義務教育学校を創設する。西中を拠点校とする佐野西中学校区義務教育学校整備事業に2022年度から着手、引き続き佐野小を拠点校とする城東中学校区義務教育学校整備事業に24年度から着手する。両校とも新校舎を建設し校舎面積は佐野西8800平方m、城東7500平方m規模。総事業費約122億円を見込んでいる。

 佐野西中学校区義務教育学校は西中、天明小の一部、植野小の一部、旗川小、吾妻小の5校を統廃合。事業期間は22~27年度の6年間。概算事業費は約66億円。28年4月の開校を目指し、普通教室41、特別教室14、その他9を整備する。

 敷地の区域区分の線引きは都市計画区域が市街化区域、用途地域は準工業地域。学校敷地3万3149平方m、運動場1万9158平方m、体育館1500平方m。28年4月の開校を目指し、開校時の児童生徒数は約1030人の見通し。

 城東中学校区義務教育学校は城東中、佐野小、天明小の一部、城北小の一部の4校を統廃合。事業期間は24~29年度の6年間。概算事業費は約56億円。30年4月の開校を目指し、普通教室30、特別教室13、その他4を整備する。

 敷地の区域区分の線引きは都市計画区域が市街化区域、用途地域は第1種住居地域。学校敷地1万7662平方m、運動場1万2262平方m、体育館1200平方m。30年4月の開校を目指し、開校時の児童生徒数は約660人の見通し。

 これらは市立小中学校適正規模・適正配置基本計画後期計画実施計画Ⅰ期(23~29年度)に盛り込んだ。小中学校の義務教育学校化を円滑に進める指針となり、複数校を1つのまとまりで整備。複式学級の解消、施設の老朽化対策、適正規模の観点から整理した。

 統合先となる学校は立地条件、敷地の広さ、建物の経過年数を総合的に検証。佐野西中学校区、城東中学校区とも再編対象の小学校校舎は築50年以上が経過。早急な対応が求められており、仮設校舎建設を省略できる上に費用節減に効果的なことから選定した。

 学校再編を確実に推進するため、国の負担金や交付金、交付税措置のある有利な起債の活用を検討。市学校整備基金を一定規模以上積み立て、計画スケジュールへの影響がないよう留意。義務教育学校整備に関わる特定財源の創設を関係機関に働き掛けていく。

 市PPP/PFI手法導入優先的検討方針に基づき、先進自治体で実績があるPFIの民間活力による学校施設整備維持管理手法導入の可否を検証。財政負担の縮減や平準化に有効なPFI導入可能性調査を早期に実施し、各校の整備手法に反映する。

 前期計画(14~22年度)では「あその学園義務教育学校」(田沼西中、戸奈良小、三好小、山形小、閑馬小、下彦馬小、飛駒小、田沼小)が20年度に開校。「葛生義務教育学校」(葛生中、常盤中、葛生小、葛生南小、常盤小、氷室小)が1年延期の23年度に開校予定。

 学校は児童生徒が1日の大半を過ごす学習や生活の場であり、豊かな人間性を育むのにふさわしい機能的で快適、安全性、防災性、防犯性、衛生的な環境を備えた校舎が不可欠。集団の中で切磋琢磨する機会が少ない複式学級を解消し、適正規模基準に合致させる。

 市内の小学生は1981年度、中学生は86年度をピークに減少の一途。少子化に伴う小中学校の小規模化は加速度的に進んでいる。市教委は義務教育9年間を一体的に、子どもの成長と学習の連続性を重視した小中一貫教育を規模適正化の有効な手段に据えた。

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