記事

事業者
栃木県大田原土木事務所

大田原土木、豊原高久線高久駅工区、FEM解析へコンサル委託、跨線橋33m、22年度確定へ

2022/02/17 栃木建設新聞

 県は、那須町の一般県道豊原高久線高久駅工区2270mの道路詳細設計をまとめた。普通河川棒川右岸の切土80mの施工箇所がJR東北新幹線橋脚に近接し、FEM解析が必要なため、JR東日本との協議資料作成に伴う近接施工影響解析業務を今年度内に発注する見通し。棒川渡河部はボックス工に決め、FEM解析実施の必要性を判断する。北側の現道タッチ付近でJR東北本線をオーバーパスする跨線橋は33mの斜橋で、予備設計を踏まえ2022年度にも橋種を特定する予定。県大田原土木事務所によると、計画のルートは公図が混乱しており、町の地籍調査の進ちょく状況を勘案し跨線橋を含む北側700mを優先工区として整備を進めていく見通しを示した。

 豊原高久線は高久駅周辺のあい路狭小区間を改善し、南側870mを現道拡幅、北側1400mはバイパスを整備する。幅員は11mで車道3・25m×2車線の両側に1mの自転車通行帯、歩道を片側2・5m確保。

 歩道は現道拡幅区間で、南側整備済み区間と整合を図り西側、バイパス区間では東側に配置する。バイパス区間で一部重用する町道池田高久駅線の拡幅区間は、住宅が立地し既設の歩道を活用して両側歩道で計画している。

 棒川渡河位置は現道拡幅区間から分岐し、東北新幹線の東で並走するバイパス区間。1級河川上流部の普通河川区間で、ボックス施工にあたり右岸側を切土によるブロック積みで計画した。

 FEM解析の協議資料は県外の大手コンサルによる指名競争入札で選定する。切土と橋梁渡河部の構造物詳細設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当している。

 在来線の跨線橋は、鉄道が現道に比べ掘割的に低い軌道となっている箇所を選定した。跨線橋を含む優先工区の700mは町道交差点を境に現道タッチまでで、新幹線から離れる箇所から切土、跨線橋手前は盛土で施工する。

 現道は在来線の東に隣接並走しており、鉄道を挟んで南から合流するため斜橋となる。現道タッチ部は、T字交差点となるよう法線を調整。道路詳細設計と弧線橋の予備設計はダイミック(同)が担当している。

 高久駅周辺の豊原高久線は幅員が狭いうえに車道にはセンターラインがなく、歩道も設置されていない。特に駅北側の高久架道橋を含むクランク区間は幅員6mと狭く車両の交互通行にも支障を来しているほか、直角に曲がっている箇所には町道が合流し見通しの悪い危険な交差点となっている。

 高久駅工区は16年度に平面図化、17年度から新規調査箇所として事業化に向け予備設計を実施。その後、複数のルート案を検討し地元説明会を経て路線測量を行った。町の地籍調査は南北と中央部の3エリアに分けて実施しており、22年度にも完了が見込まれる北側700mの先行整備を決めた。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら