川越市は、的場新町地区で新たなまちづくりを構想している。(株)IHIエアロスペースの川越事業所が所在する約11haの工業地域を、同社が移転することにより、住宅系の用途に変更させようというもの。既に平成20年3月をめどに閉鎖することが決まっていることから、早期に方向付けをする。手法などは今後の検討課題だが、住宅開発などが位置付けられ、事業化した場合、下水道などのインフラ整備はもちろん、場合によっては学校などの配置も考慮することになるなど、大掛かりなものに発展することもありえそう。
対象となるのは、霞ケ関地区の一角。周囲は、霞ケ関北小学校が北側にあり、南側に関越自動車道が走っている。
川越事業所は、昭和31年に日産自動車の宇宙航空部門の試験場として開設。平成12年には石川島播磨重工業(IHI)へ統合し、約50年間宇宙・防衛関係の研究開発および生産を行ってきた。
さきほど、IHIが国内の拠点施設集約化を掲げ現在の6から、4施設へと削減することを決定。川越事業所の従業員は、群馬県の富岡事業所へ異動するとともに、宇宙開発事業も富岡に設備を移転し、そこで新たな研究実験棟を建設するなど、機能を集約する運びとなった。
この転出に伴い、土地所有者からの意見もあったことに加え、周囲の環境から、住宅系を含めた土地利用の転換を図ることになった。
現在対象地は、霞ケ関地区計画に基づき、工業地域として指定されており、住宅などは認められない。今後は都市計画をにらみながら、進展を図っていく。
まちづくり検討調査業務は、日建設計(千代田区、電話03-5226-3030)にこのほど、210万円で委託。今年度内に課題の整理などを行い、方向性を探る。