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山梨県甲府市

当初予算は暫定/重要施策で「枠配分方式」導入も/来年度予算編成方針

2005/11/16 山梨建設新聞

 甲府市は、来年度予算編成方針を明らかにした。同市では、来年3月1日に中道町と上九一色村(北部:古関、梯)が編入合併することから、同当初予算は骨格もしくは暫定予算とし、政策的経費を盛り込んだ本予算は両町村の議員選出後の6月定例市議会に提案する予定。また、新たな総合計画の実施計画事業費については、財政推計に基づき各部局ごとに総額枠配分額を提示、同枠内で事業の実施に主体性を持って重要施策への予算重点配分を行う「枠配分方式」を新たに取り入れた。

 合併により新甲府市の実質的なスタートとなる来年度予算編成においては、合併市町村特性や役割を再認識する中で、新市全域の均衡ある発展と住民の一体感の醸成に意を注ぐ必要があることから、これまでの合併協議会の調整などを踏まえ、限られた財源の重点的かつ効果的な配分に一層努めるとともに、不足する財源については、合併効果による事務的経費や経常経費の圧縮削減により捻出するなどして、計画的で実効性のある事業展開を図る方針。この、予算見積にあたっては、中道町、上九一色村との調整を十分に行い、同市の責任において編成するものとする。

 また、歳入、歳出の個別事業の個別事項については、歳入関係で(1)市税収入は同市財政運営の根幹をなすものであるため、今後の経済情勢、国の税制改正等を慎重に見極めるとともに、課税客体の的確な把握と収納率の向上に最善の努力を行う(2)国・県支出金では制度改正や予算編成の動向に留意するとともに、特に、三位一体の改革に伴う国・県補助負担金の廃止、削減にあたっては同内容の具体的な把握に努め、安易に一般財源への振替や継ぎ足しは行わない(3)使用料および手数料などの自主財源については、受益と負担のバランスを失することのないよう適正負担について十分検証するとともに、収入未済額についても早急に対応を講じ滞納額の縮減を図る。公有地等の未利用地等の未利用資産については、地方債等の債務残高の減少を図るため、売り払いの検討や適正な貸し付けを行っていく(4)市債発行については、後年度負担や償還能力などを踏まえ、極力発行を抑制するとともに、プライマリーバランスにも留意する、としている。

 一方、歳出関係では(1)人件費・公債費の縮減はもとより社会保障関係費についても、国の制度改革を見込む中で見直し抑制を図る(2)補助金については、今後、情報開示により説明責任を果たすことが求められることから、行政として対応すべき必要性、費用対効果、経費負担の在り方等について再度検証し、積極的に整理合理化を図る(3)外郭団体等の運営に対する補助金・負担金については、一般会計と同様に厳しい現状を認識し、なお一層の効率的・効果的な事業運営を求めることとし、全般にわたる見直し削減を行う(4)債務負担行為は、後年度の財政負担を伴うものであり、この増加は財政硬直化の要因ともなるため、真に施策上必要なものに限り措置する(5)特別会計への繰り出し金は、年々増加し一般会計の弾力性を圧迫しているため、繰り出し基準外に係るものは、徹底した見直し抑制を図る方針。

 このほか、経常経費については、実施計画事業の財源確保のため徹底した見直しを削減を行うものとし、今年度当初予算における一般財源額を限度として予算編成を行う。



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