益子町が計画する図書館は建設地を役場周辺土地区画整理事業地の1級河川百目鬼川に面する南東角地に決め、2022年度に委託する基本設計はコンサルタントから提案を求めるプロポーザル方式を軸に検討していることが分かった。大塚朋之町長が本紙のインタビューに答えた。建設地の面積は4700~4800平方mとし、22年度に実施する街区や区画道路、調整池など公共施設の詳細設計を行い、図書館の外構とともに周辺環境の整備に反映させる。プロポーザルの公告時期は新年度早期に実施する見通し。(3面に大塚朋之益子町長インタビュー)
大塚町長は図書館の基本設計について、すでに県内外の複数のコンサルが興味を持ち提案をいただいていると述べた。コンセプトは自宅や職場、学校以外の第3の居場所(サードプレイス)として、複合的機能を有し町の活性化やコミュニティ形成の核となる役割を期待する図書館としている。
町図書館基本計画案によると、施設の延べ床面積に2300平方m。このうち図書スペースが1500平方mを想定した。総事業費は設計、土地購入、建物・外構工事、部品購入など合わせ15億円を試算。財源には国庫等補助金5割、地方債に4割を充てる。国庫は立地適正化計画に基づく支援事業の都市構造再編集中支援事業を想定した。
施設構成は開架スペースとして一般書4万冊、児童書と絵本が各1万5000冊に、郷土資料、視聴覚資料、カウンター、閲覧スペース、ティーンズスペースなどを配置。閉架スペースは書庫4万冊を収納。
学習・読書などのサイレントスペース、コミュニティやグループ学習に利用する交流スペース、カフェ機能を展開できるカフェスペース、イベントにも活用可能な多目的スペースなどを配置。
また、事務・更衣・休憩・打ち合わせ・職員玄関・作業室などの事務・管理スペースに加え、ボランティア作業室、移動図書館車用書庫などを内包する。
町はランドスケープ計画を立案し、百目鬼川の宅地計画として役場周辺土地区画整理事業を進めている。計画には必要な緑地面積を川沿いに集積し、緑地スペースを憩いの場や子どもの遊び場として活用するほか、仮設テントを並べイベントや災害時の避難所としても役立てる。
図書館は安全と環境に配慮し整備する百目鬼川の護岸に守られ、水質を整え親水性を備えた水辺空間の眺望を提案。百目鬼川沿いには町を周遊するスローロードを配置し、益子焼をイメージできる素材や色彩を使用して舗装する。スローロードは自動車の通行を禁止し、自転車や徒歩による散策コースを楽しむ。