8日に開かれた国土交通省関東地方整備局の社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会で、2022年度新規事業候補箇所の一般国道19号塩尻拡幅(塩尻市)について審議が行われ、事業化は妥当と結論付けた。総事業費は310億円、このうち工事費は123億円が見込まれている。今後、国交省の事業評価部会を経て評価結果を公表。国会での予算成立時に実施計画が決定する。
事業区間は塩尻市広丘高出~広丘野村までの延長3.3㎞。現状2車線の区間を4車線に拡幅する。工事費の内訳は改良費が89億6700万円、橋梁費(横断歩道橋)が12億3000万円、舗装費が20億1400万円、付帯施設費(標識工、防護柵工、道路照明等)が9800万円。
改良費をさらに詳しく見ると、土工(13万7742m3)2億800万円、軟弱地盤改良工(14万5694m3)25億3800万円、L型擁壁工3億200万円、管渠工(1865m)5400万円、函渠工(270m)2400万円、排水工(1万312m)3億4500万円、中央分離帯工(3278m)6100万円、電線共同溝(4956m)21億3600万円、雑工(撤去工等)32億9900万円。また舗装費のうち車道舗装分が6万3374㎡17億1700万円、歩道舗装分が2万6525㎡2億9600万円。
このほか地質調査、測量、設計費用等の間接経費が44億1300万円、用地費が28億7800万円、補償費が114億円。
当該区間の前後区間は4車線で、多くの交通が流入するため交通容量不足による渋滞が発生している。新規事業採択時評価では、当該区間の死傷事故率が県内直轄国道平均の約3倍と非常に高い状況であることや、事故類型で著しい速度低下に起因する追突事故の割合が約7割を占めていること、通学路にも指定されているが歩道が狭く歩行者事故が多発していることを挙示。4車線に拡幅しボトルネックを解消することで、速度低下に起因する交通事故の減少、さらに歩道の狭隘区間解消による歩行者の安全性の向上といった効果が見込めるとした。