長岡市で8日、産学官連携による関連製品開発、ビジネス化促進に向けた防災産業クラスター形成事業説明会が開かれた。国の取り組みや支援策を紹介する第一部では、災害対応上のニーズを持つ自治体と民間企業のマッチング事例が紹介され、参加した地元の建設業者ら20人が耳を傾けた。
主催者の県産業労働部産業政策課の高木清彦主査が「建設業でも防災関連の新ビジネスが進んでおり、期待されている。この事業により新潟が全国の防災拠点となり得ることを示したい」と述べた。
内閣府の小玉典彦政策統括官付参事官は、官民連携プラットフォームの役割を解説。「災害対応を行う地方公共団体と民間企業が持つ先進技術のマッチングサイトを常設し、2月末現在で135の自治体と438の企業が登録している。災害の種類に応じ、平時から復旧、復興までに至る技術やサービス、商品の詳細などの情報が得られる。セミナー開催も2021年度は3回実施し、個別相談会も好評だった」と話した。
一例として、小玉参事官は京都府福知山市とJFEエンジニアリング・エクシオグループの実証実験を説明。「9月上旬に福知山市が避難情報発令支援システムのニーズを登録し、同時期にJFEが水位予測サービスを登録した。企業側が市に問い合わせた結果、災害時の課題や方向性、システムの実現性、予算規模、スケジュールなどの情報を共有した。周辺自治体での事例がないシステムであったため、本格運用に向けたプレテストの実施を企業が提案し、市が共同提案体制に同意。ことし2月までに8回の打ち合わせを重ねた」とし「22年の出水期(6月)からプレテストを開始する見込み。結果を踏まえて23年度の予算要求に進展する可能性がある」と話した。
公共土木・インフラに特化したニーズの具体例については、重機が進入できない場所での法面、護岸などの災害復旧工事の新技術、ICT活用による除雪作業の効率化と省人数化、遠隔による降雪状況の把握、非常時における情報収集と共有、平常時での復旧工事の査定や管理のシステム構築などを挙げた。
22年度から新規に開始するマッチング支援策の2案に触れ「モデル自治体支援事業としてマッチングが進まない自治体の中から、公募により選定した自治体に対して積極的な寄り添い型の支援を行う。公募は6月を予定。企業のための相談窓口も設置する」と述べた。
新年度最初のセミナーは6月に新潟県内で開催する。
【写真=説明会の様子】
















