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千葉県大多喜町

工事発注増を目指す/観光戦略などで財源確保/平林昇大多喜町長就任インタビュー

2022/03/15 日刊建設タイムズ

 1月16日に投開票が行われた町長選挙で初当選を果たし、大多喜町長に就任された平林昇氏は、「町の基幹産業である農林業振興や観光戦略により交流人口の増加を促進することで、財政を豊かにし、多くの建設工事を発注できるよう努めていきたい」との思いを語った。町道改良や橋梁長寿命化などのインフラ整備を進めるとともに、防災対策や災害発生時の応急復旧に地元建設業との連携を強化していく。また、観光戦略の一環として県立中央博物館大多喜城分館の修繕を促進し、大河ドラマの誘致や農業の強化などによる町のブランド力向上を図る。

 

 ――町への思いや印象を聞かせてください。

 

 平林 町には大学時代など7年間を除き、59年間住んでおります。今では、首都圏中央連絡自動車道を利用することで羽田空港に50分で行くことができるようになり、格段に交通利便性の優れた場所になったという印象です。一方で、利便性向上によるストロー現象や高齢化の進行により、若年層の人口が減少し、町内の人の流れが減ってしまったと感じています。定住者や移住者増加につなげる施策を考えていきます。

 

 ――公約に掲げた「住んでよし、訪れてよしの町づくり」について、観光戦略等の具体的手法を教えてください。

 

 平林 大多喜のブランド力を上げ、町民が「住んでよかった」と胸を張って言えるような町にしていきたいです。そのためにも、基幹産業である農業の強化や、交流人口の増加を視野に入れたロケーションサービスの構築を検討しています。具体的には、国の補助金を利用した水田の畑作化や、大河ドラマの誘致によるマスメディアへのPR活動などを強化し、財政を豊かにしていくことから始めていきたいと考えております。

 

 ――県立中央博物館大多喜城分館について、修繕の進捗はいかがですか。

 

 平林 2020年度に策定された「千葉県立博物館の今後の在り方」に基づき、県が館内のバリアフリー化、エレベーターの設置、屋根の補修など、町への将来的な移譲に向けての改修を5年間で進めております。観光地としての目玉の一つであることから、早期に修繕を進めていただけるよう県に働き掛けたいと思います。今後は、本多忠勝公ゆかりの地として、地元での有効活用について検討を進めていきたいと考えています。

 

優先順位確実に/インフラ強化を

 

 ――インフラ整備の進捗はいかがですか。

 

 平林 住民の方々が住んでよかったと思うような町にするには、インフラ整備は欠かせません。優先順位をしっかりと付け、町道改良や橋梁長寿命化などのインフラ整備を進めていきたいと考えております。

 

 ――そのほか、力を入れていきたい主要事業について教えてください。

 

 平林 総合運動公園に複合遊具の設置など、前町長の意向をしっかりと汲み取り、手掛けている事業を着実に進め、交流人口増加につながる整備に積極的に取り組みます。

 

 ――地域の建設業への期待について教えてください。

 

 平林 水害や土砂災害など、防災対策や被災箇所の復旧時にも多大なる力沿いをいただき、なくてはならない業界であると認識しています。建設工事の件数が減っている中で、雇用促進や地域経済活性化に取り組みます。

  

略歴

 

 ひらばやし・のぼる

 1955年12月1日生まれ。80年、日本大学商学部経営学科卒業。同年、三新産業入社。81年、平林種苗農芸入社。91年、平林物産設立、代表取締役就任。2012年、大多喜町商工会会長就任。16年、大多喜警察官友の会会長就任。19年、ライオンズクラブ333―C地区GSTコーディネーター。22年、大多喜町長選挙で当選。趣味は料理、魚をさばくのが得意。好きな四字熟語は「一粒万倍」。

インタビューに応じる平林昇大多喜町長

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