クラフトビールメーカーのファーイーストブルーイング(山田司朗社長、小菅村)は、村内に新工場を建設する。6億円以上を投じ、生産能力を増強。販路拡大などによる需要の伸びに対応する。今後施設の設計を進め、2023年度以降の稼働開始を目指す。建設地の造成は村が行う予定で、新年度予算に経費を盛った。建設費の一部に国の補助金を活用することも検討する。
建設地は温泉施設「小菅の湯」(同村3445番地)周辺の山林、約2500㎡。地権者から村が借り受け、同社に貸す予定。現在村が測量などを進めており、22年度に造成工事を行う。造成費は約2000万円を見込んでいる。
新工場では、主力のクラフトビールを現在の4倍にあたる年2000キロリットル製造する。これから設計者を決め、施設の詳細を決めていく。設計者については「これまでに取引がある業者に依頼する可能性がある」(同社担当者)。新工場稼働後、現在の工場は蒸留酒や木だる熟成ビール、サワーなどのRTD(缶、瓶製品)の生産に充てる。
施工者は県内外の業者から選定する。実績や工事費などを総合的に判断した上で決める。建設にあたり、農林水産省の食品事業者向けの補助金(HACCP等対応施設整備事業)の活用を検討するという。
同社では東京をテーマとした「FAR・YEAST」ブランドのビールなど、数多くのオリジナル商品を展開。直営店以外に全国の大手スーパーへ販路を拡大したことで売り上げが伸びているという。同村のふるさと納税の返礼品としても人気で、「今は生産がいっぱい、いっぱいの状態」(同)。商品の保管庫も足りないため、ことし、新たな倉庫を建設する予定だ。
【写真=ファーイーストブルーイング本社】