新潟県と県内市町村、新潟県土地改良事業団体連合会(県土連)は29日、決壊時に人命、財産に被害を及ぼすおそれがある防災重点農業用ため池の適正管理へ「新潟県ため池サポートセンター」を設置した。ため池管理者に対する指導啓発や災害発生の未然防止を図るための技術的支援のほか、研修会など情報共有を行う。同日にはウエブ会議で設立総会が開かれ、センター設立や規約、事業内容などを承認。登り俊也農地部長、県土連の三富佳一会長らによる看板の掲出式も行われた。
県内では653カ所が防災重点ため池に指定される。608カ所で劣化状況評価、525カ所は地震・豪雨耐性評価が必要とされており、3月現在で166カ所の劣化状況評価と173カ所の地震・豪雨耐性評価が実施済み。調査の結果から222カ所で防災工事、45カ所では廃止工事等の対応が必要とされる。今後、点検調査の結果に応じて対策を必要とする防災重点農業用ため池は増加する見通し。一方で農業者の減少、高齢化により管理組織体制は弱体化する傾向にある。防災工事等の円滑な実施と災害発生の未然防止に向けてサポートセンターを設置することで、ため池の保全管理体制を強化する。
サポートセンターは、新潟県と県土連および、ため池が所在する28市町村で構成され、事務局は県農地部農地建設課と県土連が務める。